三重県初、オーダーメイドのバレエ衣装専門店
20代で創業した「Lete」が目指す
地域で愛されるブランドづくり
5歳でバレエを始め、気づけば20年。三重県でオーダーメイドのバレエ衣装専門店「Lete(レテ)」を営む森田夏帆氏は、専門学校卒業後まもなく独立への一歩を踏み出しました。踊りやすさと美しさを両立し、一人ひとりの体にフィットさせるバレエ衣装制作のみならず、今年の春からは刺繍ミシンを使った新たな挑戦もスタート。そしてBig Advanceを活用したホームページ作りや、経営の専門家から学んだ店舗運営の基礎知識──。自身の“やりたい”という想いにまっすぐに向き合い、真摯に事業に取り組みながら、地域で愛されるオーダーメイド専門店が歩んできた2年間とは。これからの展望とともに伺いました。
Lete 代表 森田 夏帆 様
5歳で始めたバレエ、身長の壁が導いた「衣装制作」という道
─ まずは森田様がこのお仕事に就くまでの経緯を教えてください。
バレエを始めたのは5歳のときです。もともとはスケートを習いたくて母に毎日お願いしていたのですが、幼稚園の友達がバレエを習っていると聞いて連れて行ってもらったのがきっかけでした。自分では始めた記憶がないくらい、気づいたらバレエをしている生活が当たり前になっていましたね。
本当はバレリーナを目指していたのですが、身長が足りずオーディションを受けられる基準に届きませんでした。それなら衣装に関わる道はどうかと考え、中学生の頃から意識するようになったんです。高校は服飾の学校を選び、卒業後は大阪の専門学校の舞台衣装専攻に進みました。実は、入学時は「バレエ衣装の授業はない」とはっきり言われていたのですが、1年生の終わりごろにたまたまバレエ衣装の先生が来られることになって、専門的に学ぶことができたんです。本当に偶然の巡り合わせでした。
─ 舞台衣装とバレエ衣装は、作り方も違うのでしょうか?
まったく違います。舞台衣装はドレスなどでも日常の服に近いものが多いのですが、バレエの衣装はチュチュのようにチュールを何段も重ねたり、踊りやすいように体にぴったりフィットさせたりする必要があります。習わずに独学で作られている方もいますが、やはり仕上がりやフィット感には差が出るのではと思いますね。
「やるなら早いほうがいい」。両親の後押しで踏み出した起業
─ 専門学校卒業後、すぐに独立されたとか。迷いはなかったでしょうか?
卒業後は何社か会社を訪問したのですが、結局は「自分の店を持ちたい」という気持ちが強くて。専門学校でも2年ほどバレエ衣装を学んでいたので、自分でやってみようと決めました。もともとは一度就職してお金を貯め、30歳くらいで開業できたらと考えていたのですが、両親に相談したところ、母から「やるなら早いほうがいい」ときっぱり言われて。
一番身近な存在の家族が背中を押して応援してくれているので、ここで迷ったら絶対に後悔すると思ったんです。それなら今しかないと、その場で気持ちを固めました。
ちょうどそのころ、父の知り合いが元化粧品店だったこの物件を貸してくださることになったんです。最初は自宅で始めることも考えたのですが、お客様と直接会って色やサイズを相談できる場所が必要だと思い、店舗を持つことを決めました。
─ 色々なご縁が重なっていらっしゃいますね。ところで、「レテ」という店名の由来は?
「Lete(レテ)」はフランス語で夏を意味する言葉で、私の名前に「夏」が入っていることから選びました。候補を50〜60個ほど考えて、最終的に短くて覚えやすいこの名前に決めたのですが、自分だけの判断では少し不安だったので、母の職場の方々に何度も「レテ、どう? 覚えやすい?」と聞いて回りました。もうひとつの名前をつけるような気持ちで、本当に悩みましたね。

三重県内にある「Lete(レテ)」の店舗外観。看板とともに飾られたバレエシューズも素敵
オーダーメイドへのこだわりと、少しずつ広がる商品ライン
─ ご自身がバレエをやっている森田代表だからこその、衣装づくりで大切にしていることは?
一番大切にしているのは仮縫いです。最初にサイズ違いのものを着ていただいて、しっかりと体に合わせてから本番の衣装を仕立てます。遠方のお客様にはリモートで採寸をお願いすることもありますが、やはり実際に着ていただいたほうがより確実だと感じています。この地域はバレエ衣装を扱うお店自体が少なく、お直しができるような洋品店も近年閉店してしまったため、多くの方が愛知まで足を運ぶかネットで購入されている状況です。だからこそ、対面でのご相談や仮縫いができる場所の価値を大切にしたいと考えています。
今はお直しなど一般のお客様にもご利用いただけるようにしていて、店頭にはオリジナルのバッグなども並べています。「こういうものがあったらいいな」というお客様の声から、時間を見つけて少しずつ商品を増やしてきました。

店頭に並ぶオリジナルバッグや小物、美しい衣装の数々
「刺繍」という新しい挑戦をスタート
─ 最近は刺繍のお仕事も始められたとか。きっかけをぜひ教えてください。
はい。刺繍ミシンを購入して、この春から挑戦しています。もともとは前の化粧品店のオーナーさんから「刺繍をやってほしい」と頼まれたのがきっかけです。ミシンの購入費用を立て替えてくださり、家賃と一緒に少しずつ返済させていただく形で始めました。デザインからすべて自分で作らなければならず、まったくの独学でYouTubeを見ながら勉強しています。ペットの写真をもとにした刺繍や、バレエをモチーフにした刺繍など、少しずつ試作を重ねているところです。まず、素材をこちらで用意できるハンカチやネームタグなど、小さなものから展開しています。次は、Tシャツなどお客様の持ち込みの生地に刺繍することにも挑戦してみたいです。将来的にはバレエ衣装以外のジャンルにも、刺繍の技術を広げていけたらと考えています。

独学で仕上げた愛犬モチーフの刺繍

刺繍ミシンで施した衣装の繊細な装飾
─事業を進める中で、今、課題に感じていることは何でしょう?
これから強化したいのが、レンタル衣装のネット展開です。レンタル自体はすでに行っているのですが、今は私が通っている教室の生徒さんへの貸し出しが中心で、まだ十分に広げられていません。最近はネットでレンタルを申し込む方も増えているので、そちらを強化したいと思い、サイトを立ち上げました。ただ、衣装の制作が始まるとなかなかそこまで手が回らず、写真を載せているだけの状態で止まってしまっているのが正直なところです。ここを見ればすぐに借りられる、という状態まで少しずつウェブサイトを育てていきたいと思っています。
転機となったのは、専門家との出会いが教えてくれた「経営」の基礎
─ ところで、Big Advanceを始めたきっかけについて教えてください。
開業する際に、金融機関の方から「お店やブランドとして信頼してもらうにはホームページがあったほうがいい」と勧めていただいたのがきっかけです。実は、ホームページを持つという発想自体なかったんですよね。担当者の方と一緒にサイトを作って、自分でも更新できるようになりました。今ではホームページからのお問い合わせもいくつかいただいているんです。Big Advanceを通じて、BtoBへの展開も今後視野に入れていきたいですね。

企業のロゴマークの刺繍なども広げていきたい分野。「こうしたニーズのある企業の方とも出会いたいです」
─ インスタグラムでの発信も広がっていますね。
最近、インスタのストーリーに新商品を載せると、DMでのお問い合わせが増えてきました。「練習用のチュチュを作ってほしい」「巾着が欲しい」といったオーダーの相談や、衣装のオーダー方法についての質問などが届くようになっています。
─ そうした発信方法を始め、経営面で学びになった出会いがあったと伺いました。
そうなんです。去年の夏ごろ、三重県の中小企業の支援策を通じてある専門家の先生に出会ったことが、大きな転機になりました。それまで経営についてきちんと学んだことがなかったのですが、月に一度お会いして、時間の計算の仕方や材料費の考え方、値段のつけ方まで、本当に細かく丁寧に教えていただいたんです。それだけでなく、SNSの発信の仕方や商品の見せ方まで、全体的に教えてくださって。仕事のやり方そのものが変わったと感じるくらい、大きな出会いでした。とても感謝しています。

笑顔でこれからの目標を語る森田代表
「バレエ衣装といえば、レテ」と言われる存在へ
─ 最後に今後の展望を教えてください。
まずは三重県で「バレエ衣装ならレテだね」と、みなさんに覚えていただけるお店になりたいです。店舗を使ったオーダー会などできることを少しずつ増やしていきたいです。今はバレエ衣装が中心ですが、刺繍についても、いずれは違うジャンルの方にも広がっていけたら嬉しいですね。また、私自身バレエは今も続けていて、今年の夏の発表会にも少しですが出演しました。色々な活動や発信を通じて、「レテ」という名前をもっと広めていけるよう、頑張っていきたいです。
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<会社情報>
| Lete(レテ) | |
|---|---|
| 所在地 | 三重県桑名市三ツ矢橋36-5 |
| 設立 | 2024年4月 |
| URL | |
| ※情報と肩書きは取材当時のもの | |


