変化する市場を生き抜く店舗戦略
エリエールフーズが描く外食・SA事業
給食・ケータリング事業から始まり、現在は高速道路のサービスエリア運営や中国・四国地方、大阪での多彩な外食レストラン展開を軸に成長を続けるエリエールフーズ株式会社。物価高騰による消費の冷え込みや、急増するインバウンド需要といった激しい市場環境の変化に直面する中、立地や路線ごとの客層を見極めた戦略で柔軟に対応しています。本記事では、現場を支える納田汰功海氏と執行役員の名頃哲氏にインタビュー。現場で実践されている、リアルな店舗運営のノウハウについてお話を伺いました。高速道路の上下線で異なるお土産ニーズの分析や、Big Advanceを活用した仕入れ先拡大の取り組み、バイヤーとして追求する顧客信用重視の方針まで、詳しくお届けします。
エリエールフーズ株式会社 レストラン2課 セクションマネージャー 納田 汰功海 様/執行役員 業務部長 名頃 哲 様
消費トレンドを掴む。立地や客層に合わせた飲食店運営
─ まず、御社の成り立ちと事業内容について詳しく教えてください。
納田氏 当社は創業時、給食事業とケータリング事業からスタートしました。そこで培ったノウハウを活かす形で、高速道路のサービスエリア事業や、外食産業のレストラン事業へと参入していきました。現在は豊浜サービスエリアや南国サービスエリア(上下線)といったサービスエリア運営と、中国・四国地方から大阪にかけて展開する9つのレストラン店舗を軸に事業を行っています。
レストランの業態としては3つあります。日本料理や和食といったメニューを提供する「和風彩館季の屋」、洋食レストランである「レストランエリエール」、そしてカツの専門店である「かつ処季の屋」です。
─ 高松空港事業、サービスエリア事業は約40年の運営実績があると伺いました。そのなかで、近年はどのような状況でしょうか?
納田氏 そうですね、ここ10年〜15年ほどの単位で振り返ると、かつては「専門店」が外食トレンドという時代が長く、私たちのカツ専門の業態なども非常に世の中のニーズにマッチしていました。
しかしここ最近は、物価高騰による消費者の買い控えなどもあり、日本人の消費が一気に下がっていってしまいました。それに代わる形で現在大きなシェアを占めているのがインバウンドによるものです。サービスエリアに関しては、場所の特性上恩恵は受けにくいのですが、都市の中心部や空港などにある店舗では、インバウンドの影響が非常に色濃く出ています。
─ そのような状況に合わせ、どういった戦略を取っているのでしょうか。
納田氏 例えば、特に私が現在兼任で勤務している高松空港の店舗はインバウンドの影響が顕著です。メディアなどでもよく言われていることですが、日本人の消費金額に対して、中国の方をはじめとしたインバウンドのお客様は「客単価が3倍ぐらい高い」というデータが実際に出ています。その上で求められるのは、かつてのような「安く多く売る」を重視した売り方ではありません。今の時代に求められているのは、空間サービスや演出、そして提供される商品そのものに対する高い満足度だと考えています。
そのためメニュー構成についても、高単価でもしっかりとご満足いただける内容へと変化させています。ただ、今は原材料価格がかなり高騰しているため、リスクの高い攻めたメニュー開発はしづらいです。相場や価格変動が比較的安定した傾向にある食材を中心に扱い、そこから派生させたトレンドのメニュー、例えばオムライスなどを取り入れています。SNSに投稿したくなるような、演出にもこだわったアプローチの料理を出すことが、ここ最近の戦略の一つと言えると思います。

本場・讃岐の味がここに。豊浜サービスエリアで味わえる、打ちたて讃岐うどんの専門店
サービスエリア上下線で異なる、お土産ニーズと売り場づくり
─ サービスエリアには、たくさんの魅力的な商品が並んでいます。通常、これらの商品はどのように選定して仕入れていますか?
納田氏 まず、NEXCO様が企画されるイベントやフェアがありますので、その内容に即した商品を選ぶというのがベースです。 その上で、サービスエリアという場所柄、お土産をご購入される方が非常に多いですから、地産地消を意識した「地元のもの」を重視して選定しています。また、SNSでのトレンドや話題性を呼びやすいもの、という視点も大前提として商品選定の基準にしていますね。
─ お土産のニーズは、上り線と下り線でも違うのでしょうか。
名頃氏 そうですね。私たちが運営している四国のサービスエリアの下り線を例に挙げると、観光客だけでなく、遊びに行って帰路につく方々もたくさん買い物に来られます。そのため、地元の四国のお土産はもちろんですが、関西方面など色々な地域の商品がよく売れるんです。「お土産を買い忘れたから」と関西のものを買っていかれるケースもあり、下り線はかなり商品のバリエーションが豊かです。逆に上り線になると、ほとんどその土地のお土産しか売れないくらい、地場のものに特化していきます。そういった特性に合わせて売り場を考えています。
Big Advanceで繋がる、全国の魅力的な商品
─ Big Advanceは仕入れ先とのマッチングを期待されて導入いただいたのでしょうか?
名頃氏 はい、マッチング機能を使って新しいサプライヤー(仕入れ先)を見つけられるのではないかと考えて2020年に導入しました。金融機関の方から「こういうシステムがある」とおすすめされたのがきっかけでしたね。ただ、最初は条件に合う会社さんはなかなか探せなかったんです。時間や人手の面で手が回っていなかった部分もあったため、全国のサプライヤーさんから当社へいただいたメッセージに返信する形がメインになっていきました。向こうからお声がけをいただけるのは本当にありがたかったです。最近も、様々な会社さんと面談させていただいていますよ。
─ 実際にBig Advanceを通じて成約した事例を教えてください。
名頃氏 複数社ありますが、一つは猫をモチーフにしたスイーツを作られている宮城のNEKO竈様です。見た目も可愛く、猫モチーフの商品は人気が高いという実績がありました。先ほどお話しした通り、下り線のサービスエリアはいろいろな商品の需要がありますので、人気モチーフということで仕入れてみました。ほかに、スキンケアブランドのolio様とも成約しまして、スキンケアオイルや石鹸を置かせていただいています。
納田氏 それまでサービスエリアの物販にスキンケア製品を導入した事例は無かったので、試してみようと考えました。テスターも含めて売店の棚に陳列していますが、販売数は好調です。

レストラン2課 セクションマネージャー 納田氏
協働、安定供給、品質。仕入れ先に求める3つの信用
─ バイヤーの視点から「こんな会社とお取り引きをしたい」と思われるポイントはありますか?
名頃氏 商品を納品して終わりではなく、売り場作りを一緒に手伝ってくださったり、「一緒に盛り上げていきましょう!」と積極的に提案をくれるサプライヤーさんですね。現場としてもすごくありがたいですし、そういった思いや姿勢のある会社さんとは、長くお取引させていただきたいなと考えています。
納田氏 そうですね。一緒にPRできて、共に進んでいける取引先さんは大切にしていきたいです。また、ほかにも重視していることの一つが「安定した供給」です。決められた曜日に確実に納品をしてくださること。これはお客様の信用に関わりますので重視しています。「あのサービスエリアに行けばこれが買える」と思って来てくださったのに、棚に商品が無いという状況は避けなければなりません。近年は働き方改革などの影響もあり、昔に比べて高頻度で納品が可能な会社さんは減ってきていますが、そんな中でできる限りご対応いただける会社さんだと嬉しいですね。
そして、この安定供給とも関連するのですが、やはり「品質」です。例えば長期休暇や大型連休の時期、普段は週2回納品してくれているサプライヤーさんが、連休の兼ね合いで「今回は1回の納品です」となるケースがあります。そうなるとサプライヤーさん側で連休前の在庫を長く抱えることになり、それが一気にこちらへ納品されるため、届いた時には商品の品質が悪くなってしまっている、ということが実は起こりがちなんです。
─ そういったトラブルがあった場合、どんな対応をされていますか?
納田氏 そこはしっかり指摘させていただき、品質の維持をお願いするようにしています。私たちが受け入れてしまうと、品質の良くないものを受け取るのはお客様になってしまいますよね。
お客様には良い品質のものを安定してお届けしたい。
こういった点を理解してくださるサプライヤーさんであれば、今の時代はどこに行ってもすごく重宝されるのではないかと思っています。
仕入れ先との関係強化、そして「必勝パターン」の確立を目指して
─ 会社としての今後の展望と、納田様個人の目標をお聞かせください。
納田氏 会社としては、コロナ禍で関係性が途切れてしまった地域の生産者さんやサプライヤーさんとの連携をもう一度強化し直すことが直近の目標です。新しく参入された事業者さんもそうですが、老舗の事業者さんとも関係を再構築して、新しい発展をしていきたいですね。
また、私個人としては、今の風通しの良い環境でさらにステップアップしたいです。具体的に取り組みたいのは、これからの時代にどうマーケティングを仕掛けていくかという、自分なりの「必勝パターン」の確立です。たとえば、好調なインバウンド需要が低下してきた時の数字の維持や、将来再び大きな災害やパンデミックが起こった時に現場のスタッフや雇用をどう守るかという、トラブルシューティングを自分の中に作り上げたいんです。そしてそのノウハウを会社やスタッフの方に共有できるような状態になっておきたいですね。
─ お話を聞いていると、御社はとても働きやすそうな環境ですね。
納田氏 はい。名頃部長もそうですが執行役員はまず話を聞いてくれて、やりたければ打席に立たせてくれる会社なんです。たとえ失敗したとしても、身をもって経験した失敗だからこそ貴重な経験になり自分のスキルになっていくと考えています。意見を受け入れてやらせてくれるので、すごくありがたい環境だと思います。
名頃氏 そこが上の人間の役目ですから。何でも話しやすい環境を作ってあげることが組織において重要だと思います。そんな中で、納田のような若いリーダーがやるべきことを自分で理解して目標に向かって進んでいってくれるので、頼もしいですね。これからも一緒に頑張っていきたいです。
<会社情報>
| エリエールフーズ株式会社 | |
|---|---|
| 所在地 | 愛媛県四国中央市三島宮川4-10-69 |
| 設立 | 1993年8月 |
| URL | |
| ※情報と肩書は取材当時のもの | |


