本場ナポリピッツァ店こだわりの冷凍ピッツァで商談成約多数
夢を実現してきたダ・アチュが次に目指すものとは

岐阜県でナポリピッツァのお店を運営するダ・アチュ。飲食業界に入り、イタリアのピッツァ職人に出会ったことからピッツァの修行を積んできた代表の若原氏は、現在「真のナポリピッツァ協会」認定店を営んでいます。新たに始めた冷凍ピッツァも着々と販売先を拡大中。「かっこいい」と感じたものに全力で向き合い、夢を実現させていく若原氏が次に目指すものとは?これまでの軌跡や想い、これからの展望についてお聞きしました。
株式会社アチュ 代表取締役 若原 敦史 様
イタリアのピッツァ職人に刺激を受けて、ピッツァでいくと決めた
ー若原様ご自身のことを教えてください。現在はナポリピッツァのお店を運営されていますが、以前はどんなお仕事をされていたのですか?
20歳を過ぎたくらいからずっと飲食店で働いていました。料理人ってかっこいいじゃないですか。制服を着てサッと料理を出してくれて。そんな姿に憧れて飲食業に入りました。それと幼少期の頃の経験も関係していると思います。うちは共働きで両親が家にいないことが多かったので、自分で料理を作って食べることが多かったんですね。今みたいにYouTubeで作り方を見る時代じゃなかったので、雑誌を見ながらオムライスを作ったりね。自分で料理をしていたというのは、飲食業を選んだことに大きく影響していると思います。
イタリアにピッツァ職人というのがある、と知ったのが30歳手前くらいかな。同時期くらいに日本にナポリピッツァが入ってきて、少しブームになりました。イタリアでピッツァを作る現場を初めて見た時は、15歳とか16歳くらいの子たちが働いていることに驚きました。実は僕も高校を辞めて肉体労働をしていた時期があったので、少年たちがピッツァ職人として働く姿がすごくかっこよく見えたんですよね。そこからはピッツァ一本で行こうと決心しました。
ー全国で修行をされた後、現在はご出身の岐阜でお店を出されていますね。運営されているお店について教えてください。
ダ・アチュ(DA ACHIU)はナポリピッツァを主体としたお店で、トラットリアとピッツェリアを合わせたような、老若男女誰でも来やすいお店になっています。2013年にオープンした直後に、真のナポリピッツァ協会から認定を受けた認定店です。ナポリピッツァには伝統と文化があり、厳格なルールが存在しています。正当なナポリピッツァを受け継いでいるという証なので、この認定をもらうことが僕の夢の一つでもありました。

若原様は現在真のナポリピッツァ協会・日本支局東海地区のリーダーを務められています
2店舗目はイタリアンワイン専門バーのアリーザ(A’Risa)です。
毎年イタリアに行っているんですが、2015年頃からワイナリーをよく巡るようになって。ピッツァと同じようにワインにも歴史や伝統があって、イタリアワインをしっかり勉強して取り扱うのも僕の使命の一つだと思ったんですよね。ダ・アチュに来ていたお客様から「この後ワインを飲みに行きたいんだけどどこか良い店はないか」と聞かれることも増えたので、自分がやるしかない!と思って決めました。ダ・アチュから30秒くらいのところに物件を見つけて、2021年にオープンしました。コロナ禍だったので大変な面もありましたが、オープンイベントには200人が集まって、イタリアワインが好きな人は多いんだなって改めて思いましたね。
商談会でも自信を持っておすすめできるこだわりの冷凍ピッツァを開発
ー商談会では冷凍ピッツァの製造販売で大手スーパー等と成約されていましたよね。
コロナと同時に、冷凍食品って一気に増えましたよね。量販店の冷凍食品コーナーもすごく大きくなったし、各コンビニにもよく研究しに行ってます。世界的にみても冷凍食品って右肩上がりなんですよ。冷凍ピッツァはすでに出回っていると思うんですけど、当社が冷凍ピッツァをやるなら、他には無いものにしようと思って。自分たちで選んだ材料を使って、どういう工程で作っているかをしっかり説明できるのが当社の強みなので、冷凍ピッツァもハンドメイドでやってます。あっと言わせるような、独創的なピッツァを冷凍部門でもやりたいなと思いました。
ただ、やってみたら冷凍ピッツァってものすごく大変で、賞味期限をしっかりクリアするのに時間がかかりました。パッケージの裏に表記する内容も複雑で、一つも間違えず、抜け漏れなく記載する必要があります。実際の店舗でピッツァを提供するのとは全く違うので、勉強も含めて何ヶ月もかかってしまいましたね。こだわって作っているので、商談会でも色々な企業様から当社の冷凍ピッツァを選んでいただいたのだと思います。夏に商談が成立して、大手スーパー様のいくつかの店舗ではすでに販売しています。ハンドメイドなので一日に納品できる枚数は限られていますが、色々なところで販売させていただいているので毎日頑張って作っている状況です。
ーBig Advanceを導入されたきっかけはなんですか?商談会での成果も教えてください。
岐阜信用金庫様からの紹介ですね。冷凍ピッツァで商談会に出てみたらいかがですか?って言われて。僕は現場の職人なので、それまで商談会には出たことがなくて良い機会だなと思ってやってみました。自分の商品を直接持っていって、職人自らが説明するっていうのは良いことですね。
根詰めて開発した商品ですから、自信を持ってすすめられるのでお話できることが楽しいです。自慢できないようなものは売れないでしょう。毎日ピッツァを作って改善を重ねるので、今もどんどん進化しています。それが世の中に出せるって本当に嬉しいし、商談会には積極的に参加しています。リアルの会場ならそこで作ったピッツァの匂いがするし、美味しそうだから食べてみたいってなりますよね。その雰囲気ごと見せられるのも大事ですね。
嫌いだった本との出会いが経営者としての原点に
ーやりたいと思ったことを一から勉強されて夢を実現されていく若原様ですが、目標にされている人や転機になった出会いなどはありますか?
名古屋で仕事をしていた時に電車通勤をしていたんですが、電車で本を読むようになったんですよね。当時出ていた稲盛和夫さんの本は読破しました。あと本田宗一郎さんも好きです。彼は職人で、僕も職人なので共感できる部分がありました。稲盛さんは、仕事はベストではなくパーフェクトを目指す、と言っていますが、僕も部下にいつも言っています。人をどれだけ喜ばせられるか、満足させられるか。そのために仕事がストイックになるのは当然です。稲盛和夫さんと本田宗一郎さんの考え方は、経営者としての僕の原点になっていると思います。
ーありがとうございます。最後に今後の展望を教えてください。
まずは、3店舗目のここ、モルトベッロ ダ・アチュ(Molto Bello Da Achiu)を開業します。ここは絶対(ミシュランの)星を取ると宣言してます。そのために部屋もメニューも用意しています。他にもやりたいことはたくさんあって、着々と準備を進めているのでぜひ注目していただけたらと思います。

右:岐阜信用金庫・本間氏
<会社情報>
株式会社アチュ
所在地 岐阜県岐阜市神田町7丁目17番地神田ビル1階
設立 2013年
URL https://www.daachiu.com/
※情報と肩書は取材当時のもの