電柱、海上コンテナ、重機
3つの“特殊輸送”を支えるシーピーコンテナ輸送の25年
東京・江戸川区に拠点を置くシーピーコンテナ輸送株式会社は、東京電力の電柱運搬、海上コンテナ輸送、工事現場の重機回送という3つの事業に特化した運送会社です。いずれも一般的な運送会社が扱わない特殊な輸送で、代表取締役の山﨑英斎氏をはじめとする3人が、前職の会社の倒産をきっかけに立ち上げてから今年で25年目を迎えました。燃料高騰という「自分たちでは止められない」課題と向き合いながら、ドライバーとのコミュニケーションを大事にして、勤続10年以上のベテランが半数を占める会社をつくってきました。Big Advanceをホームページを活用し、若手の求人や顧客獲得にもつなげているという山﨑氏に、これまでの歩みと展望を伺いました。
シーピーコンテナ輸送株式会社 代表取締役 山﨑 英斎 様
電柱、海上コンテナ、重機。3つの特殊輸送に特化
─ まずは御社の事業について教えていただけますか。
通常の運送会社と違い、箱車や平車(荷台が箱型のトラックや、屋根のない荷台のトラック)は持たず、3つの部門に特化しています。
一つは東京電力さんの電柱の輸送です。当社が担当するエリアで電柱の建て替え工事があると、工事会社さんから連絡をいただき現場まで運びます。
二つ目、もっとも台数が多いのが海上コンテナの輸送です。冷凍食料品の輸入では、東京港大井ふ頭に着いたコンテナをお客様から指定された冷凍倉庫まで運びます。また、東南アジア向けの鉄鋼材料の輸出では、市川の倉庫から東京港まで運びます。これらの海上コンテナ輸送は月に1000件ほどになります。
そして三つ目が、フォークリフトや高所作業車などの重機を運ぶ特殊なトラックやトレーラーです。荷台がスライドする特殊車両で、工事現場に合わせて配達・引き上げを行います。
─ 2002年の設立から今年で25年目とのことですが、立ち上げの経緯とは?
私と創業者の前任社長・鈴木七郎、電柱部門の責任者の 吉岡英男の3人は、前職で同じ運送会社にいました。そこが親会社と一緒に倒産してしまい、電柱輸送と海上コンテナを新会社で継続したいと考えて、会社を設立し、前職でのお客様の協力を得て運送を始めました。そしてその3年後くらいに、以前重機輸送の専門会社に私が勤めていた頃の知り合いを通じて、重機の輸送も始めました。

特殊運送に使われるトラック
燃料価格に翻弄されながら、地道に対応する
─ この業界に長く関わってこられて、いちばん大変だった時期は?
やっぱり燃料代には翻弄されていますね。25年前は軽油が1リットル75円ほどでしたが、リーマンショックの頃には1リットル160円まで上がりました。運賃を簡単に上げられない時代で、負担はすべて我々が飲み込むしかなく、当然赤字も増えていきました。最近もウクライナ侵攻やホルムズ海峡の件で原油価格が上がり、円安も重なって、我々ではコントロールできない要因で赤字になってしまう。そこがいちばんきついところですね。
─ 燃料高騰への対応として、どのような工夫をされていますか?
いちばん大きいのは燃料消費をどこまで減らせるかです。大型トラックは休憩中もエンジンをつけたままにしがちですが、当社では昨年(2025年)4月から、車庫にいる時は原則的に夜20時から朝5時までエンジンを止めるようにしました。その結果、燃料消費率は全体で5〜10%ほど減りました。月に3万リットルほど給油しているので、1円上がるだけで会社のお金が3万円なくなる計算です。あわせて運転手の勤務時間管理も国交省の指導に合わせ厳密にし、深夜の無理な運行を抑えるようにしています。
温かい雰囲気と丁寧な声かけが、長く働ける理由に
─ ドライバーの方は現在何名くらいいらっしゃいますか?
全部で20名ですね。半数以上が勤続10年以上で、年齢層は50代、60代が中心。20代30代はいないのが現状です。
─ 長く働いてもらえている理由はどのあたりに?
そうですね、ぎすぎすした雰囲気がないというのはあると思います。会社としては、毎日の運送量の確保が大事です。当社は創業以来、荷主からの直接契約、または荷主の子会社からの運送依頼を受けるように努力してきました。これにより、毎月の運送量が確保され、閑散期が少ないという特徴があります。走らないと運転手の給料に響きますし、毎月の給料の落ち込みを小さくできるようにしています。いくら会社の雰囲気が良くても給料は大事ですからね。
─ 仕事をする上で大事にされていることは何でしょう?
運転手には「毎日安全に車庫に帰ってきてもらいたい」というのがいちばんです。それと、温かい雰囲気のある会社でありたい。その雰囲気をつくるのは声掛けだと思っています。運転手の仕事は、朝出てから戻るまでずっと一人でいるんですよ。無線やスマートフォンでのやりとりはあっても、生身の声で話す機会はどうしても少ないものです。ですから点呼の時などに、「最近ちゃんと休憩取れている?」とか、些細なことでも声をかけてあげる。そういうことが大事なのではないかと思いますね。
運転手の体調管理等についても工夫しています。コロナ禍では、治療中や自宅待機期間は、公休として給料カット無しでカバーしました。最近は熱中症対策で、運転手には水分補給や塩分補給を支給しています。健康診断も年2回実施して、毎日仕事していただくためにチェックをしています。

電柱運搬の様子
配車業務の属人化が、今のいちばんの課題
─ ところで、現在、課題はありますか?
運送会社は仕事を受注する段階で、できるかどうかを判断します。受注段階で運送の可否をお客様にお答えしなければなりません。また、毎日の運送については、誰がこの運送をしたのかを確実に記録して、正確に給料に反映させることが求められます。
特に海上コンテナでは、お客様からの受注は1件ですが、実際の運送は、港から倉庫、倉庫から港の往復運送になりますので、それぞれ片道で運転手が異なることが多くて、誰がそれを運んだのか正確に記録する必要があります。この最初の受注・配車のところを、いまだに全て人力で行っています。
十数年前から、この業務を自動化できないかと思っていますが、配車係が判断している「暗黙の了解」をコンピューターに覚えさせるのは至難で、AIに任せるのはなかなか難しいんです。それでも、ここを改善しないと、今二人いる配車係のどちらかに何かがあった時、もう一人に大きな負担がかかってしまいます。この先、若い社員が入ってきた時のためにももっと効率よく伝える方法を模索しています。
─ 若手の採用にも力を入れているそうですね。
はい。この5月に、28歳の未経験の方を海上コンテナの運転希望として採用しました。普通免許しか持っていませんが、子どもの頃からお父さんが大きい車に乗っていて自分も乗りたいと話してくれました。そこで、普通免許しか無かったので、当社の免許取得支援制度を利用して、大型とけん引の免許を取得して貰いました。未経験の若い方ほどお金の不安が大きいですから、「次世代につなげていく」という意味でも、機会があれば会社として多少投資しても、積極的に若い方を採用したいですね。
─ また、65歳以降の雇用については?
就業規則上は60歳で定年ですが、希望すれば嘱託雇用契約となり、1年契約ですが問題がなければ65歳まで自動更新されます。運送会社は歩合をベースにしているので、給与の計算式は60歳の前後で変わりません。体力的に件数が減れば給料もそれにしたがって下がるのは、本人も周りも納得していますし、ある程度の年齢になると会社との関係もとても良好です。65歳を過ぎたら1年契約で、健康状態と本人の意思をしっかり確かめながら、お互いにいい形で70歳くらいまで続けてくれたらと思っています。
Big Advanceは“名刺代わり”。求人への手応えも
─ ところで、Big Advance導入のきっかけを教えてください。
お付き合いのある金融機関から勧められたのがきっかけです。それまで人的な余裕もなく自社でホームページをつくれずにいたので、写真や文章を載せて名刺代わりに活用しています。
─ 実際に効果はいかがでしょう?
特に求人の場面で助かっています。若い方はホームページの検索から入ってこられますから。ほかにも、運送業界全体が運転手不足で、お客様もネットで運送会社を探すことが多いんです。ホームページ経由で、こういう仕事はできますかという問い合わせが、多い時で月に2、3件ほどきています。今は運転手不足でなかなか新規のお客様の運送まで手は回らなく、お問い合わせを断ることが多くて残念ですが、タイミングが合えばお受けする、という感じでしょうか。Big Advanceは手軽に更新できるので、基本的に私が担当しています。最近できた求人ページもこれから活用していきたいですね。

BigAdvanceで作成したホームページ
30年前の名刺交換が、今につながる縁
─『コネクト』は「つながり」をテーマにしています。山﨑さんのこれまでの人生で、この出会いが今につながっているというエピソードがあれば、ぜひ教えてください。
重機の仕事は、以前の勤め先で知り合ったお客様とのご縁から始めることができました。名刺交換をしたのは今から30年以上前のこと。当時その方はある営業所の係長で、その後ちょくちょくお会いするようになり、われわれがこの会社を始めた時には部長まで出世されていました。
海上コンテナのお客様は当初、当時の代表取締役の鈴木がやはり今から30年以上前から、面識のある方々に、お仕事をいただけることになり、そのご縁で今現在もお取引をさせていただいております。
電柱輸送も、電柱輸送の責任者の吉岡英男が、やはり今から30年以上前から、面識のある方々に、お仕事をいただけることになり、こちらものそのご縁で今現在もお取引をさせていただいております。
当時、起業したばかりで資金繰りに余裕がない中、それらのお取引先との契約が当社の信用になり、車両購入でのリース会社の与信も高まり、増車も可能となり、運送を継続することができております。おかげで今につながり、その方の会社とのお付き合いもずっと続いています。出会った時は将来どうなるかは全くわかりませんし、今後の商売につなげようなど考えていないものです。ただ「目の前のお客様のために何かお役に立ちたい」という想いがあるだけ。ですが、そうした真摯な対応が結果的に、後々の長い付き合いにつながっていくのではと実感しています。

「さまざまな方とのご縁に支えられてきた」と話す山﨑氏
既存事業を着実にこなし、社会の“縁の下の力持ち”であり続ける
─ 今後、力を入れていきたい分野や展望は?
当社がこうしてあるのは、さまざまなお客様に支えられているからです。まずはその期待に応えるためにも、今ある事業を着実に継続させていきたい。そして社会貢献としてできることは、今行っている事業の延長線上にあると考えています。
たとえば、東京電力さんの電柱輸送は365日24時間輸送するという契約で、交通事故で電柱が倒れた時などにも出動します。重機の輸送のほうでも、一昨年の能登半島地震や15年前の東日本大震災の時も、発生の2、3日後には重機を第一便として届けています。そうした緊急対応を通じ、お客様を支えることが社会貢献にもつながっていると自負しています。
<会社情報>
| シーピーコンテナ輸送株式会社 | |
|---|---|
| 所在地 | 東京都江戸川区船堀7-16-10 |
| 設立 | 2002年7月 |
| URL | |
| ※情報と肩書きは取材当時のもの | |


