鹿児島の味を全国の食卓へ。
ホテルの枠を超えた、ユニオン産業の
通販事業への新たな挑戦!
鹿児島市の中心部に位置するホテルユニオン。そのホテルに直営の飲食店「かごしま黒豚六白亭」を構え、黒豚料理をはじめとする鹿児島の食の魅力を発信しているのが、ユニオン産業株式会社 代表取締役の淵村文一郎氏です。コロナ禍をきっかけに本格的にスタートした急速冷凍の通販事業は、全国へ向けた食のブランド発信の場へと進化しつつあります。地元食材へのこだわり、試行錯誤を重ねた商品開発、そしてBig Advanceを活用したB to B展開への挑戦まで、新たな事業に賭ける淵村氏の熱い思いを伺いました。
ユニオン産業株式会社 代表取締役 淵村 文一郎 様
コロナ禍が生んだ転機。「食べに来られない」お客様への想いが通販事業のはじまり
─ まず、御社の事業概要と通販をはじめたきっかけを教えてください。
当社はホテルの運営と、それに併設する飲食店「かごしま黒豚六白亭」(以下、六白亭)の経営を主な事業としています。六白亭では黒豚のしゃぶしゃぶを看板メニューに据え、鹿児島の食材にこだわった料理を提供してきました。通販事業を始めたのは2021年11月のことで、今年で5年目に入るところです。
通販事業をはじめたきっかけはコロナ禍でした。六白亭には、地元のお客様が約3分の1、観光客が約3分の1、インバウンドの方が約3分の1という客層がありました。ところが、コロナになって観光客とインバウンドの方が来られなくなり、地元のお客様だけで経営するというのは難しくなったんです。
その頃、「食べに行けない」という声をお客様からもいただくようになりました。それならば、「急速冷凍してお届けしよう」という発想に至ったのが通販事業のはじまりです。「六白亭」の名物である黒豚しゃぶしゃぶや、通販という特徴を踏まえた熟成とんかつの商品化など、最初は何もわからず手探りの状態ではじめましたが、ECサイトを立ち上げ、少しずつ販売を伸ばしてきました。

六白亭の看板メニュー「黒豚しゃぶしゃぶ」。こだわりの出汁が使われている
「鹿児島の食材」と「職人の出汁」。こだわりがつまった商品ラインナップ
─ 商品のこだわりや特徴はいかがでしょうか?
軸にしているのは、「鹿児島の食材」を使うことと、職人が一から引いた「出汁」を生かした商品づくりです。
「出汁茶漬け」シリーズはまさに出汁が要で、「2023かごしまの新特産品コンクール」で鹿児島市長賞をいただいた「出汁茶漬け・黒豚ロースかつ」をはじめ、「出汁茶漬け・具沢山鶏飯」や「出汁茶漬け・勘八めし」がそろっています。
昨年(2025年)、奨励賞をいただいた「かごしま黒豚六白亭~和ノ匠~六白黒豚と手業だし 丼四撰」も、黒豚丼・黒豚ねぎ塩丼・黒豚すき焼き丼・黒豚かつ丼の4種類にそれぞれ出汁を活用。電子レンジで温めるだけでおいしく食べられるように仕上げています。
また玄米から仕入れ、毎日店内で精米した鹿児島のブランド米「あきほなみ」を、羽釜で炊き、炊き立てを急速冷凍しているのも、こだわりのひとつですね。

2025かごしまの新特産品コンクール奨励賞、第15回鹿児島県新作観光土産品コンクール加工食品部門優秀賞と二冠受賞の
「かごしま黒豚六白亭~和ノ匠~六白黒豚と手業だし 丼四撰」
─ とんかつにも相当こだわられたとか?
はい、そうなんです。とんかつは、突き詰めるほど非常に奥の深い料理であることがわかりました。素材選びから油の種類・温度設定・パン粉のメッシュ(粉の粗さ)に至るまで、試行錯誤を重ねて……。特にパン粉が難しかったですね。生パン粉を使っているのですが、粗挽きの度合いやパンの風味と豚肉の味わいとのバランスのよさを求めて、納得のいくものに出合うまでに時間がかかりました。ようやく、豚肉のおいしさを引き出すパン粉にたどり着き、さらに米油を使って軽やかな風味に仕上げることで、電子レンジで温めてもサクサクッとした食感が残るとんかつが完成しました。
そのほかにも、ひとり鍋セットの「黒豚しゃぶ鍋」「黒豚みそ鍋」、そして鹿児島の錦江湾産の姫甘エビや灰干しイカを使ったシーフードピザなどの石窯で焼くピザ。現在5つのカテゴリーで展開しています。すべてレンチンでおいしく食べられるというのが大きなポイントとなっています。
バイヤーの方からは、最近は家で揚げものをしない家庭も増えているので「レンチンでおいしいのは時代のニーズに合っていますね」というお声をいただくこともあります。
受賞と商談会が開いた扉。B to B展開への挑戦
─ ところで、B to B展開に取り組もうと思ったのはなぜでしょう?
通販事業をはじめた当初は、個人のお客様向けのB to Cだけを考えていました。しかし、商談の場でデパートのバイヤーさんなどから「いくらで卸せますか?」という話が出るようになり、B to Bへの取り組みが必要だと感じるようになりました。ただ最初は、B to Cの価格設定のままでは卸値に対応できず、なかなかまとまらないことも多かったんです。
転機になったのが、「かごしまの新特産品コンクール」での受賞でした。鹿児島市長賞をいただいたことで「鹿児島の夕べ」という東京のバイヤー向けイベントにも招かれ、福岡の商談会にも参加しました。そういった場で多くのバイヤーさんに商品の可能性を感じてもらえたことで、B to B専用の商品を一から設計しようという方向に踏み出しました。昨年(2025年)は鹿児島県のよろず支援拠点の先生がたにもご相談しながら、B to B対応の商品づくりを進め、奨励賞を受賞しました。ありがたいことに、今年(2026年)は鹿児島商工会議所主催の「第15回鹿児島県新作観光土産品コンクール」でも加工食品部門優秀賞をいただきました。今まさに、B to Bの展開が少しずつ広がりつつある段階です。
Big Advanceのマッチング機能で、新たな商談の場へ
─ Big Advanceをはじめたきっかけは?
金融機関からご紹介いただき、Big Advanceのビジネスマッチングを使うようになりました。実際に商談会や展示会でリアルに足を運んでいても、100人のバイヤーさんが来られたとしても、全員とつながれるわけではありませんよね。そこに時間も労力もかかります。
Big Advanceであれば、こちらの商品情報を発信しておくと、「話を聞きたい」という方から手を挙げていただける。そういう形で関心を持ってくれた方と商談できるので、非常に効率がいいと感じています。さらに、各エリアの金融機関の方が間に入ってくださることで、お取引するにあたって信用の担保もあります。安心して商談にのぞめるという点も、すごく大きなメリットだと感じています。
─ どんな出会いがありましたか?
いくつかの企業さまとやり取りをさせていただき、広島の百貨店とも接点をもてました。みなさんとお話しする中、当社の商品に非常に高い評価をいただけていると感じることができましたね。「冷凍して電子レンジで温めるだけなのに、できたてのようにおいしい」という点に驚いてくださいます。原価面でB to B対応の設計ができれば、もっと多くの取引先とつながっていけると感じていますので、今後もBig Advanceをしっかり活用して、マッチングの輪を広げていきたいと思っています。

「Big Advanceは効率よく、さまざまな企業と出会えるのが魅力」と語る淵村氏
「食」を通じた出会いと、人がつなぐ転機
─「コネクト」は「つながり」をテーマにしたメディアです。淵村さんのこれまでの人生で印象に残っている出会いや転機はありますか?
そうですね、本当に、出会いの連続だったと感じています。大学時代から今の仕事を手伝っていたのですが、学業と仕事の両立に悩んだ時期に、兄のように慕っていた先輩のお父様から「竹のように生きろ」という言葉をいただきました。竹は節から節へとまっすぐ伸びていく。その言葉が、迷いを吹き切るきっかけになりました。
今は高校の同窓会会長を務めていまして、後輩たちに伝えていきたいと思っているのは、「人とのつながりを大切にしてほしい」ということです。何百人の会員がいる組織でも、本当に親しい人が3人できれば、その会に入った甲斐があります。
いざ大切な決断をするとき、最後は自分で決めるにしても、その判断の材料になるアドバイスや相談ができる相手は、必ずこれまでの出会いの中にいるものです。振り返ってみると、いつもそうでしたね。
通販を独立した一事業へ。鹿児島の食を全国へ届ける夢
─ 最後に、今後の展望を教えてください。
飲食部門と通販事業、両方をしっかり伸ばしていきたいと思っています。ホテルも一昨年に全室フルリニューアル、そして朝食が美味しいホテルとして石窯ピザや郷土料理が食べられる旅行や出張でお越しいただいた方も満足していただけるホテルを目指しております。また、六白亭も「黒豚料理のおいしさをより多くの方に伝える場」として充実させていく。同時に、通販事業は、現在社内で兼任しているスタッフが担っている状況から、今後はひとつの独立した事業として成り立つ形に育てたいというのが目標です。
今はお中元やお歳暮の時期に注文が集中してしまうという課題もあります。そのため、専用の冷凍庫を設けて在庫の平準化に取り組んだり、賞味期限を延ばして輸出の対応も視野に入れた検査を進めたりと、地道な設備投資や品質向上を続けています。そうしてスタッフにかかる負担を均等にして、安定的に事業を回せる体制を整えていくことが、今年の大きなテーマです。
鹿児島の黒豚、地元の食材、職人の出汁。そこに磨き上げた冷凍や加工の技術を組み合わせた商品を、Big Advanceも活用しながら全国へ届けていく。それが、私たちのこれからの挑戦です。
<会社情報>
| ユニオン産業株式会社 | |
|---|---|
| 所在地 | 鹿児島県鹿児島市西田2-12-34 |
| 設立 | 1967年2月 |
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| ※情報は取材当時のもの。 | |


