沖縄の課題解決に挑むシステム開発会社
東迎システムファクトリーの次の一手とは

企業向けの業務システム開発を中心に、予約管理や顧客管理など、クライアントのニーズに応じたカスタムシステムを提供している東迎システムファクトリー。近年ではプログラミング教育事業や動画制作・デジタル広告事業にも乗り出し、新たなビジネスの可能性を広げています。今回は代表の東迎様に、事業の背景や今後の展望についてお話を伺いました。
株式会社 東迎システムファクトリー 代表取締役 東迎 啓樹 様
システム開発からプログラミングスクールまで
ー会社の事業内容について教えてください
当社はシステム開発をメインにやっていて、特に企業向けの業務システム開発が中心です。予約管理システムや不動産業の申請管理システム、kintoneを使った業務システム開発など、クライアントごとにカスタマイズしたシステムを作ることが多いですね。ホームページ制作も一部手掛けていますが、ほとんどはシステム開発の仕事です。独自のシステムを求めるお客様が多いので、ゼロから作る案件が中心ですね。
ー最近、新たな事業にも取り組まれていると伺いました。どんな事業内容かお伺いできますか?
システム開発とは別に、動画制作も始めました。デジタルサイネージを設置して、そこに広告を流すビジネスも進めています。
また、昨年の12月から、大人向けのプログラミングスクールを始めました。当社は大阪に本社、私がいる那覇を支社としていて、今後は沖縄では大人向け、大阪では子供向けにスクールを展開しようと思い、現在準備を進めています。特に子供向けの教室は、学校の先生でプログラミングを教えられる人が少ないと考えられるので、外部のスクールの需要は高いと考えています。
プログラミングの独学で苦労した過去ー未経験の人も安心して学べる環境を作りたい
ー東迎様はもともとエンジニアを目指されていたのですか?
いいえ、最初は全く別の業界で働いていました。でも、エンジニアって「かっこいいな」と思ったんですよね。その当時、IT業界は成長分野で給料も良いという話を聞いて興味を持ちましたが、スクールに通う余裕がなくて、本を読んだり、インターネットで調べたりしながら独学で学びました。最初は本当に大変で、何をどう学べばいいのかも分からなかったです。
就職するのも結構苦労しまして、20社以上落ちましたね(笑)。実績がないとなかなか採用が難しい中で、ようやくエンジニアとして採用してもらえる会社と出会えて、そこからスキルを磨いていきました。
ーその経験が今のプログラミングスクール事業にも影響しているのでしょうか?
そうですね。僕自身、学ぶ環境がなくて苦労したので、「誰かが教えてくれたら、もっと楽に学べたのにな」と思うことが多かったんです。だから、未経験の人でも安心して学べる環境を作りたいと思いスクールを始めました。
大阪での仕事経験を経て独立へ
ー東迎様にとって転機となった出来事があれば教えてください。
一番の転機は、結婚を機に大阪に行ったことですね。もし沖縄にずっといたら、今のように自分で会社を立ち上げることはなかったかもしれません。
大阪では、SES(システムエンジニアリングサービス)の仕事で短期間のうちにさまざまな現場に派遣され、プロジェクトごとに新しい環境で仕事をするという経験をしました。エンジニアの仕事はただコードを書くだけではなく、クライアントの要望を汲み取り、柔軟に対応する力が必要です。その能力は大阪での経験によって培われたと思います。その後、自分で自由に仕事をしてみたいと考え、独立を決意しました。
ーまさに、その出会いと経験が、今の会社経営に繋がっているんですね。
そうですね。大阪に行ったことで多くの人と出会い、学び、独立への道が開けました。今思えばあの時の決断がなかったら、全く違う人生を歩んでいたかもしれません。
ビジネスマッチングで同業他社とリソース不足を補う
ーBig Advanceを導入された経緯を教えてください。
金融機関の方から紹介してもらったのがきっかけです。コスト面でもリーズナブルで、金融機関からの紹介であれば信頼もできると思い、試してみようと思ったんです。
ー実際に導入されてみて、どのような機能を活用されていますか?
一番活用しているのは、やはりビジネスマッチング機能ですね。普段の新規取引は紹介が多いのですが、Big Advanceでは同業の協業先を探しているような企業とよく繋がっています。システム開発業界はエンジニアの数が圧倒的に足りないので、協業することが多いんです。他の会社と繋がることで、案件を行う際のリソース不足を補完し合うことができるのは大きなメリットですね。
ーBig Advanceを通じて、新しい取引先は見つかりましたか?
東京や京都の企業と商談をする機会がありました。特に東京のソフトウェア商品開発のサポートを行う企業とは、今も繋がりが続いています。ただ、沖縄の企業との取引はまだなくて、システム開発の業界では登録企業数が少ないのか、あまり活発に動いている印象はないですね。もっと地元の企業とも協業できる環境があるといいなと思っています。
沖縄県民として沖縄の未来を作る教育を
ー最後に、今後の事業の展望を教えてください。
一番は、プログラミングスクール事業を本格化させていきたいですね。大阪の子供向けスクールが成功したら、そのモデルを沖縄にも持ってきたいです。私は沖縄出身なので、沖縄県民としてのアイデンティティがあって、地元に頑張ってもらいたいんですよ。
沖縄県は日本の中では出生率が一番高いのですが、実は離婚率も一番高いんです。また、県内の仕事が少ないので、働けていない親を持つ子供の貧困問題は深刻です。十分に学ぶ環境が得られない子供たちには格差が生まれ、将来の選択肢も減ってしまいます。子供向けのプログラミングスクールを行うことで、場所を選ばずできる仕事があることを子供たちに知ってもらい、貧困の連鎖を抜け出すきっかけになればと考えています。プログラミング教育を通じて、沖縄の若い世代が地元で活躍できる環境を作っていきたいです。

(左:コザ信用金庫 名嘉眞氏、右:東迎代表)
<会社情報>
株式会社 東迎システムファクトリー | |
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所在地 | 〒550-0015 大阪府大阪市西区南堀江3-15-3-401(本社) |
設立 | 2017年11月 |
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