“縁”を形につなげるフライズの新たな事業展開
株式会社フライズは、滋賀県を拠点に葬儀関連の返礼品卸、インバウンド向けの土産物・雑貨卸、お菓子卸などの事業を展開しています。もともと葬儀返礼品会社に勤めていたという代表の山本文敏氏。家族葬の広がりで返礼品の需要が減少していくことを見据え、新たな柱を模索する中、ある出会いをきっかけにインバウンド土産の世界に飛び込みました。大阪のドラッグストアでの販売、そして自社ブランド“COCOROYA”の立ち上げ。Big Advanceを“仕入れ探し”のために使うという独自の活用法も交えながら、山本氏のこれまでの歩みを伺いました。
株式会社フライズ 代表取締役 山本 文敏 様
送る仕事から迎える仕事へ。異業種からインバウンド市場に本格参入!
─ まずは御社の事業概要と歩みについて教えてください。
当社は創業して17年になります。もともとは、葬儀関連の返礼品を卸す事業がメインでした。会社を始めて5年ほど経った頃、これからは家族葬が増えるにつれ返礼品の数は年々減っていくだろうと感じ、何か新しいことをしていかなければと考えていました。そんな時、インバウンド向けのハンカチを扱う企業の方と知り合う機会があり、この先、インバウンドが増えて伸びていくだろうと見込んでスタートしたところ、思いのほか売れたんです。
その後、取扱う商品の幅も広がっていく中で、社内で木製の什器を自作できるようになり、他社との差別化につながりました。途中、コロナ禍で売上げがほぼゼロになった時期もありましたが、その頃にお菓子の問屋の方と縁ができて、お菓子の卸も始めました。今は葬儀関連の返礼品、インバウンド土産、お菓子の卸という三本柱で動いています。
─ 山本代表の経歴についてはいかがでしょう?
創業前は、葬儀の返礼品を扱う会社の会社員でした。その時のメンバー4人で独立して、事業を一部引き継ぐ形でスタートしたのが今につながっています。もともと2社からスタートした取引先は増えてきていますが、葬儀の規模が小さくなっているという時代の流れもあり、返礼品の数字自体は減っているのが現実です。
帝国データバンクの情報誌がきっかけ。インバウンド土産で広がった販路
─ ハンカチを扱う企業の方とはどのように知り合ったんですか?
帝国データバンクの情報誌に載っていたのを見たことがきっかけでした。取り扱っておられる商品に興味が湧き、帝国データバンクの担当の方にお願いして会う機会をつくっていただきました。実際にお会いすると、お人柄もユニークな方で、商品の柄のアソートを豊富に持っておられました。
そこで、54種類のハンカチをマス目状の木製什器にびっしり並べました。さらに、1マスに3枚ずつ柄を変えて入れることで、すべて違う柄のハンカチを162枚見せられる陳列を始めました。ちょうど中国からのインバウンドが多い時期で、毎日何百枚も売れる勢いでした。最初はハンカチだけでしたが、そこから和雑貨などの取扱いアイテムを増やし、取り引き先も増やしていきました。

お客様の要望に合わせて専用什器を製造
─ 先ほど少しお話しいただいた木製の什器ですが、社内でつくられているんですか?
そうなんです。マス目状のハンカチのディスプレイを見て、並べた時のインパクトの大きさに惹かれたのがきっかけです。最初は什器を購入して使っていましたが、自社サイズでつくりたいという思いもあり、社内のDIYが好きな人材に製作を任せることにしました。結果、自分たちで什器を製作できるようになり、お客様の店舗スペースに合わせたサイズにも対応できるようになりました。これまでに何十台も出荷しています。
ほかに、マグネットのお土産も一定の人気があります。什器の全面に鉄板を張り、そこにマグネット商品を一面に貼って見せるディスプレイにしたところ、お客様にインパクトを与えることに大成功。大阪のドラッグストアに置いていただいたところ、ピーク時は毎日何百個と出荷するほどの売れ行きに。在庫はギリギリの状態で、入ったら出すという日々でしたね。最近は中国からの観光客が以前より減少していることもあり、ピーク時ほどではありませんが、それでも前年を上回る数字で推移しています。
「COCOROYA」ものづくりへの想い
─ オリジナルブランド「COCOROYA」も展開されていますね。
布を使った商品のタグをつくる必要があったタイミングで、屋号となるブランド名を考えました。
今は新しいロゴデザインも決まっていて、近隣の障害者就労支援の施設にお願いしてタグをつくっていただいています。ホームページにある「心温まる」という言葉と、この「COCOROYA」の心を掛け合わせていて、つくった人も、売る人も、買った人も心温まる、というのはいいフレーズだなと思っています。

オリジナルブランド「COCOROYA」のロゴ
インバウンド向けの商品の仕入れについては、売れそうなものを見つけてくるという感覚ですが、「COCOROYA」の商品については、自分の想いを形にして、人に選ばれ喜ばれる商品を作りたいと思っています。

売れるアンテナを張って仕入れるのが山本氏流
Big Advanceは「売る」のではなく「仕入れる」ために使う
─ Big Advanceを導入したきっかけを教えてください。
最初は売りたいという気持ちで、一度やってみようかという形で始めました。普段の営業は基本的に人からの紹介が中心で、飛び込みの営業も行いますが、効率はさほど良くはありませんでした。そうした中で、金融機関がマッチングに力を入れているという話を聞き、そのひとつとしてBig Advanceを使ってみようと思ったんです。今のホームページもBig Advanceで作成しました。それまでは自社のホームページを持っていなかったので、写真を中心に情報を発信できる場ができたのは大きいですね。

Big Advance で作成したホームページ。写真を中心に情報を発信できる場として活用。
─ 実際の活用法にも特徴があるとか。
新規の相手先を一から見つけようとすると、なかなか大変です。それよりも、まずは今お付き合いのある取引先の売上げを1.2倍にできれば、合計で見ると大きな成果になる。そう考えて、既存のお客様に対しておもしろい商品を提案して売上げを伸ばす、という発想でBig Advanceを使っています。
つまり、新規開拓のためというより、仕入れ先を見つけるための場として活用させていただいています。情報を発信していれば、こちらから探しに行かなくても向こうから見つけてもらえます。ホームページの情報が充実しているかどうかが、商談に進めるかの判断にも大きく影響していますし、情報発信の積み重ねが信頼につながると実感しています。
─ マッチングで実際につながった事例はありますか?
大分の木製雑貨を手がけてる企業様とは、Big Advanceでつながったご縁です。最初は葬儀返礼品の案件で声をかけていただいたのですが、商品を見ているうちに興味が湧き、木製雑貨商品についてこちらからお話しさせていただきました。そこから木製コースターの取引が始まり、その後、漢字をデザインした木製スマホスタンドの取引もしています。海外の方は、漢字やひらがなのデザインを好まれる印象がありますよね。お客様に新しい商品を提案できるという点で、十分に活用できていると感じています。

Big Advanceでの出会いで取り扱いが始まったスマホスタンド
事業を変えた、お菓子問屋の「凄腕営業」との出会い
─ ところで、これまでで印象的だった出会いはいかがでしょうか?
お菓子問屋の営業の方との出会いは、私にとって大きな転機でした。スピード感のある仕事ぶり、かつ負けん気のような気概を感じる方で、一緒にいると自然とやる気が出る存在です。私よりも年下ですが、非常にバイタリティーにあふれていて、影響は大きかったですね。
出会ったのは8年前、滋賀・草津で開催された展示会でした。最初は互いの商品を購入し合う程度の付き合いでしたが、今ではこちらの雑貨を紹介してもらったり、お菓子が売れそうな先を紹介したりと、広がりが生まれています。
同業ではなく畑が違う相手だからこそ、競合せずに紹介し合える関係ができたのだと思います。
オリジナル商品を軸に、販路をさらに拡大していく
─ 最後に、今後力を入れていきたい分野や展望を教えてください。
これからはオリジナルの商品づくりにも力を入れていきたいですね。これまでは出荷業務に追われ、展示会には買い付け側としてしか参加の経験がありませんでした。ですが、東京で販路を持つメーカーや問屋の方々と話していると、出展が販路拡大の大きなきっかけになっているという声をよく聞きます。そこで自社商品をつくり、東京や大阪の展示会に出展して販路を広げていきたいと思っています。
仕入れ品中心から自社商品中心へと軸を移すことで、しっかり収益を確保し、卸先にもちゃんと儲けていただける仕組みをつくりたいですね。(店舗の)いい場所に置いてもらうためには、卸先の利益率や収益性が良くなければなりません。そこを一番に考えて、お店の方に喜んでいただけて、購入していただくお客様にも喜んでいただける商品づくりを意識していきたいと思っています。
今後は、既存の取引先の底上げと、新規の開拓、この両方を地道に進めていきたいと思っています。

オリジナル商品への想いを語る山本代表
<会社情報>
| 株式会社フライズ | |
|---|---|
| 所在地 | 滋賀県草津市笠山1-3-22 |
| 設立 | 2009年10月 |
| URL | |
| ※情報と肩書きは取材当時のもの | |


