エネルギー事業から人材教育・就労支援領域へ
千代田エネルギーの新たな事業展開
東京都千代田区に拠点を置く株式会社千代田エネルギー。1941年の設立以来、廃油の精製処理からガソリン販売、不動産賃貸業と多角的な展開で成長を重ねてきた同社は今、新たな事業として外国人材の教育や就労支援に力を注いでいます。2018年には多国籍な学生が在籍する「東京千代田日本語学校」を開校、現在は人材紹介事業「千代田キャリア」も本格化。未経験の領域の営業に「Big Advance」を有効活用しています。
異分野である教育・人材事業への参入背景、立ち上げ初期の試練と克服、そして多角化を描く将来のビジネス展開について、同社の取締役兼経理部長の高橋政行氏にお話を伺いました。
株式会社千代田エネルギー 取締役 経理部長 高橋 政行 様
ガソリン販売から教育へ。企業の未来と留学生の受け皿を創る
─ まず、御社の事業内容とこれまでの歩みについて教えてください。
当社は、廃油の精製処理といった事業からスタートし、石油会社からガソリンスタンドをやらないかと声がかかって、ガソリン販売を開始しました。そのほか、中古車の販売や不動産賃貸業なども手掛けながら成長してきた会社です。また、2018年には日本語学校を立ち上げ、現在は人材紹介業も行っています。売上規模はガソリンスタンド事業がはるかに大きいのですが、学校事業は利益率が高いので、ゆくゆくは会社を支える一つの大きな柱にしていきたいと考えています。
─ 高橋様ご自身は、いつ頃からどのような経緯で関わられるようになったのでしょうか?
入社したのは約17〜18年前になります。もともとずっと経理畑を歩んできまして、紹介を受け、千代田エネルギーに入社することになりました。当初は、ガソリンスタンド業務や賃貸業、中古車販売などの経理を担当していました。
─ これまでと全く異なる「学校」事業を始められた背景は何だったのでしょうか。
日本語学校の「東京千代田日本語学校」や人材紹介サービス「千代田キャリア」といった事業は、私の方から「スタートしよう」と提案して始めました。
前職でヨーロッパや東南アジアに行く機会があり、その時の経験がきっかけです。日本に来られている海外の方々からよく聞いていたのが、「自分一人で日本に働きに来たのはいいけれど、母国に子どもや妻を残してきている」という話でした。本人たちは家族を日本に呼びたいけれど、子どもがある程度大きくなるとビザの取得が非常に難しいという悩みを何度も耳にしました。何とか呼ぶ方法はないかと探していた時、日本語学校に目を付けました。留学生としてビザを取得できれば、家族も日本に来られるのではないかと。それで、あちこちの日本語学校に電話をかけて「こういう人たちがいるのだけれど、入学できないか」と聞いて回ったんです。ところが、どこも「今はもう生徒がいっぱいだから」と断られてしまって。「だったら自分で受け皿を作ってしまおう」という気持ちになりました。家族と一緒に過ごせない海外の方々を何とかしてあげたいという一心でしたね。
一方で、経済が不安定で人手不足の今、会社としても利益を出していかなければいけません。じゃあ次は何をやろうか、と考えた時に、海外の優秀な方たちが日本に来て豊かになれるよう、日本語を学んで働く場所まで紹介ができれば、会社としても非常に幸せなことなのではないかと考えたんです。
ゼロからの試行錯誤。試練の3年間を経て生徒150名へ
─ 学校を立ち上げるにあたって、大変なことも多かったのではないでしょうか。
全く知識がない状態からのスタートでしたから、一つひとつ調べていく作業の連続でした。一番驚いたのは、日本語学校の校舎を作るには原則として自己所有が求められるというルールでした。ただ、たまたま現在使っているこのビルが当社の自己所有物件だったため、一番大きなハードルをクリアすることができました。そこから細かく調べていったのですが、認定申請の段階で教員体制を整えておく必要がある、といったルールなど、今度は人の問題に直面しました。一緒にやってくれていたメンバーも「やっぱり相当難しいですよ」と意気消沈していた時期もありました。一人で悩み、自信を無くしかけながら奔走していました。自分から言い出した以上「できません」とは言えませんので、なんとか開校までこぎ着けることができて本当に良かったです。
─ 開校当初から順調だったのでしょうか。
開校時は、ネパール、ベトナム、タイの3カ国を回り、現地の日本語学校に「うちに紹介してください」と声をかけていきました。その結果、約60人の生徒を集めることができました。ところがその後、コロナ禍に突入し、海外の方が日本に入国することさえできなくなってしまいました。生徒数が激減し、一番少ない時はたったの6人でした。先生は何人もいるのに毎月赤字になるばかりで、多くても10人そこそこという厳しい状態が約3年間も続きました。社長からも「一体いつまでこれが続くんだ」と言われましたね。しかし、我慢して耐え抜いた甲斐があり、現在では150人の生徒が在籍し、今年度中には200人という目標も視野に入ってきています。
─ 学校の特徴について教えてください。
当社の学校は、アジア圏の生徒が多いのはもちろんですが、カナダやアメリカ、ヨーロッパの国々からも生徒が来ています。多国籍な生徒が集まっているため、共通言語として「日本語」を使わざるを得ないというのが特徴的かもしれません。休み時間を見ても、様々な国の生徒同士が日本語で会話をしています。結果として日本語の上達も非常に早いという声が上がっています。卒業後の進路も多様で、1年半から最長で2年間在籍し、卒業後は大学や専門学校へ進学する生徒が多いです。「働きたい」という生徒には特定技能の資格取得のサポートもしています。


様々な国の学生が集まる授業の様子
未経験の営業を切り拓く。Big Advanceで広がるマッチング
─ 現在「Big Advance」をご利用いただいていますが、導入された理由は何だったのでしょうか。
人材紹介の営業に活用したいと思ったためです。日本語学校の方はスタッフに任せられる体制が整いましたが、人材紹介事業に関しては本格的に動き出して3年ほどしか経っておらず、手が足りません。何としても成功させたいという強い意志はあるのですが、私自身、営業は未経験で非常に苦労していました。飛び込み営業もしましたが、先方から「もうちょっと営業の勉強をしてからおいでよ」と言われてしまうこともありました。なんとかこの苦手を解消できる手段はないかと悩んでいた時に、Big Advanceを教えていただきました。インターネット上だけでまずは接点を持つことができるということで、「これをやらない手はない」と思い利用させていただくことにしました。
─ 実際にどのように活用し、どのような企業を探されていますか?
メインで探しているのは、特定技能の16業種に当てはまる企業様です。それに加えて、「技術・人文知識・国際業務」というビザをお持ちの方を受け入れていただける企業様も幅広く探しています。できる時はほぼ毎日、欠かさずチェックしています。毎日新しい会社様が登録されて情報が出てきますので、チェックして素早くアプローチの連絡を入れています。私のような営業未経験者にとって、非常に有効な営業手法の一つであることは間違いありません。今後はオンラインでのやり取りだけでなく、リアルな商談会にも参加してみたいと考えています。
─ 御社から紹介される人材には、どのような強みがあるのでしょうか。
当社の日本語学校を卒業して就職する生徒については、日常会話に困らない十分な日本語能力が身についた状態で企業様にご紹介できます。一方、特定技能として直接海外から来る方々については、日本での生活経験がないため日本語でのコミュニケーションに不安が残る場合があります。そうした方々に対しては、就職してから退職するまで、当社の日本語学校のスタッフや海外スタッフが無料で日本語教育をサポートしています。就職するとリアルに集まることは難しいため、LINEなどのツールを活用して日本語のサポートを行っています。この手厚いアフターフォローは強みだと思っています。
人材紹介を軸に、多角化で描く新たなビジネス展開
─「この出来事や出会いがあったから今がある」と感じる経験はありますか?
一番初めに「フィリピンにいる子どもを日本に呼びたい」と私に相談してくれた友人の存在ですね。その友人の切実な願いを叶えるために調べたことが、日本語学校を立ち上げる最初のきっかけでした。結果的に、その友人の子どもたちを日本に呼ぶことができ、一人はうちの学校に入学してくれました。「おじちゃん、おじちゃん」と慕ってくれて毎日接することができましたし、親御さんにも私から直接電話で報告したりして、深い関係を築けたことが本当に嬉しかったです。今は日本のホテルに就職して立派に働いています。「うちに来て良かった」という話を聞いたりすることも嬉しいですし、これまでやってきたことが間違いではなかったと自分に言い聞かせる大きな励みになっています。
─ 最後に、今後力を入れていきたい活動や、事業の展望についてお聞かせください。
まずは人材紹介事業の「千代田キャリア」を当社の新しい柱の一つとして成功させることが最優先の目標です。それに加えて、まだ実現できていない構想がいくつかあります。一つは「留学ビジネス」です。私自身、海外の大学をいくつも回ってきた中で、日本人の留学生を海外へ送り出すサポート事業を立ち上げたいと考えています。安全面などの課題があり、今はまだ立ち上げに至っていませんがぜひやりたい事業です。もう一つは、企業向けの「日本語研修プログラム」の提供です。大手や中堅の企業様になれば多くの外国人の方が働いていらっしゃると思います。現在も個人単位で先生が出向いて教えるような下地はできているので、パッケージにして日本語研修を請け負うビジネスを展開してみたいです。対企業での研修事業が軌道に乗れば、より安定した事業基盤を築くことができると考えています。これからも新しい挑戦を続けていきたいですね。
<会社情報>
| 株式会社千代田エネルギー | |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区神田紺屋町13(日本語学校) |
| 設立 | 1941年6月 |
| URL | |
| ※情報と肩書は取材当時のもの | |


