2026年03月09日

2代目社長と30年社員がともに挑む
「ココイチ」FC1号店 ウィーアップの変革

かつて社員の8〜9割が独立を目指していた株式会社ウィーアップコーポレーション。カレーハウスCoCo壱番屋のフランチャイズ1号店として創業した同社。当時は「1日でも早く独立する」ことを全力で考える社員たちの熱気に満ちていました。しかし時代とともに、その文化は大きく変化しました。現在は定着志向の社員が中心となり、会社は新規事業への挑戦や働き方改革を通じて新たなステージへ。CoCo壱番屋13店舗、パスタ・デ・ココ2店舗を運営し、海外輸出事業も展開する同社の代表取締役・林宗俊氏と、長年会社を支えてきた3名の幹部社員に、変遷と今後の展望について伺いました。

株式会社ウィーアップコーポレーション 代表取締役 林 宗俊 様 / 取締役 鈴木 重男 様 / エリアマネージャー 高井 昭博 様 / エリアマネージャー 亀井 洋志 様

独立を目指す社員たちで溢れていた会社

―まず、御社の事業内容と林代表のキャリアについて教えてください。

林代表 当社は1981年、カレーハウスCoCo壱番屋のフランチャイズ1号店としてスタートしました。現在は愛知県でCoCo壱番屋を13店舗、パスタ・デ・ココを2店舗運営しています。

そして新規事業として、2024年4月から輸出業を始めました。主に抹茶を扱っていて、サウジアラビアやUAE、ヨーロッパなどに輸出しています。飲食業一本だったところから、新たな柱を育てようと挑戦している段階ですね。

私は1999年に入社後、独立して約8年神奈川県で店舗を運営していました。その後、会社に戻ってきて代表を引き継いで、今に至ります。

―独立を目指されたのは、やはり経営したいという思いがあったのですか?

林代表 そうですね。純粋にお金持ちになりたかったんです(笑)。

私はバブル崩壊世代です。中学、高校の頃に夢のようにきらびやかな世界を見て、「こんな世界があるんだ」と思ったんです。自分たちもそうなれるものと思っていたんですけどね、バブルは崩壊していました。でも「お金持ちになりたい」という夢は残っていました。多分そういう世代だと思います。夢を実現する手段として、経営者を目指すというのはありましたね。

代表取締役 林 宗俊 氏

―今回は幹部の3人の方にもご同席いただいていますが、林代表にとってこの3人はどのような存在ですか?

林代表 やっぱりこの3人との出会いが私にとって大切でして。社長を交代した時、父が亡くなりました。その時に支えてくれたのがこの3人。とても感謝していますし、恩を感じています。しっかりと返していかないとという思いが強くあります。幸せにしてあげたいですね。

―それでは皆さんのご経歴を教えてください。まず鈴木様から。

鈴木氏 1995年入社で社歴は約30年、一番古株ですね。大学卒業後、新卒で入社しました。CoCo壱番屋や飲食をやりたかったというより、組織の歯車ではなく動かす方になりたいという思いでした。当時の社長は学歴でふるいにかけるような選考をせず、会社説明会でしっかり話をさせていただいて「ここだったら楽しいかな」と思えたんです。

当時は独立を目指す社員が中心で、入ってくる社員は皆、勢いがあって野望がありました。だから自然と会社が活性化されるような状況でしたね。

―高井様、亀井様はいかがですか?

高井氏 私は2000年入社なので26年目です。就職氷河期の真っ只中で、面接すらしてもらえないことが多かった。大企業も倒産する時代で、自力をつけるために「社長を目指そう」と決めました。就職説明会で「社長になれますか?」と聞いて回り、当社だけ「うちなら目指せるよ」と。それで入社を決めました。

亀井氏 私は1999年入社です。高校生の時からアルバイトをしていて、当時の社員が鈴木や、今は独立してオーナーをしている方々だったんです。高校生の僕に「いい物件があるんだ」「ここで独立するんだ」って毎日のように話してくれて。本当にエネルギッシュでした。3年かけて感化され、専門学校卒業後に入社しました。

高井氏 当時は「1日でも早く辞めて独立すること」を全力で考えている人がいっぱいいましたね。

鈴木氏 でも今は、独立を目指す社員はほとんどゼロに近い。会社に残って生計を立てていく人生を考える社員ばかりです。そこが会社として一番大きく変わったところですね。

取締役 鈴木 重男 氏

長く働き続けられる会社への転換、働き方改革を推進

―独立志向の強い方が多い中、30年近くこの会社に残られた理由は何ですか?

高井氏 私は入社当時、どちらかというと愚か者で(笑)。常識もなく、不足するところが多々ある人間だったんです。そんな私にも誠実に対応してくれた。それがすごくありがたかったですね。

亀井氏 私は新店やパスタ・デ・ココなど、会社としても前例があまりないところをやらせていただいたことが大きかったです。パスタ・デ・ココを始めたときは、本当に毎日のように鈴木に電話して、弱音を吐きながらやっていました。「頑張れよ」「お前しかできないからやれよ」と言ってもらって。話を聞いてもらえる相手がいることは大きなことですね。

エリアマネージャー 亀井 洋志 氏

―林代表が就任されてから、働き方で変えたことはありますか?

林代表 完全週休2日制を実現したことですね。それまでは週休1日だったので、まずは週休2日にして、有給も取りやすくしたいなと。あとは福利厚生を見直すなど、内部的な充実を図っていきたいですね。

昔は独立を目指すスタッフが8~9割だったんです。そういうスタッフに働きやすさは関係ありませんでした。休みを取ることよりも、とにかく働いて独立したいと考える人が多かったわけです。その名残を変えていかなきゃいけないと思いました。前述の通り、会社に残って生計を立てたいと考える社員が多くなった今、会社も変わらないと人が定着しませんから。

新規事業の輸出業、商談会で可能性が広がった

―新規事業の輸出業では、Big Advanceを活用されたと伺いました。

林代表 はい。輸出事業を始めたものの、商材確保に苦労していました。テレアポや訪問営業など営業活動に奮闘しましたが、上手くつながらず悩んでいたんです。

そんな時、金融機関から紹介を受けてBig Advanceを導入しました。さっそく商談会に参加したところ、多くの企業とマッチングが実現しました。金融機関を通すことで信用できる企業という安心感があり、初対面の企業でもスムーズに話が進んだ点が非常に助かりました。直接キーマンとつながることができるんです。

今は抹茶の輸出がメインです。おかげで、1年目は年間約30万円だった売上が、2年目の今は月80~100万円にまで成長しました。ようやく軌道に乗ってきたところです。

今が一番の踏ん張りどころ、人材育成の課題と向き合う

―皆さんの中で「これは大変だったな」という経験はありますか?

鈴木氏 正直、今が一番きついです。昔は店に配置されたら「やればいい」「背中見せればいい」「その気にさせればいい」という単純なところがあったんです。でも今は、それでは伝わらないですよね。

コミュニケーションの取り方が変わってきていますし、昔のような熱量だけでは伝わらなくなっています。そこで悩むこと、イライラすることもあります。でも、飲食業は人が全てですから、なんとかしないといけないと常に思っています。

―スタッフの定着は厳しいですか?

鈴木氏 厳しいですね。転職ブームもあるじゃないですか。30年前は就職したからには一生続けるつもりで働くものでした。そこの変化はやっぱり大きいです。

でも、やりがいや楽しさをみんなと共有できれば、道は開けるんじゃないかと思っています。最近は、どうしても「辛い」「なんで…」というネガティブな気持ちが先に来て、「作る」「楽しむ」「成長する」といったポジティブなことが後回しになっているように感じます。ここを5割、6割、とポジティブな方に持ってこれたら、また変わってくるんじゃないかと思っています。

―外国人の採用も増やしているそうですね。

エリアマネージャー 高井 昭博 氏

高井氏 はい、昨年からですね。まずはその国の状況をネットで調べて、じっくり話を聞きます。海外で働く不安は大きいですから、「あなたのことを理解しようとしているよ」という態度を示してから仕事を教えています。コミュニケーション方法も人それぞれです。聞くのが得意だったり、読み書きが得意だったり、その方に合わせてコミュニケーションをはかります。

亀井氏 基本的には、CoCo壱番屋という接客を大事にしている企業の理念をしっかり教えていくことだけです。カレーを売っていますけど、接客でも売っているということですね。

次の柱を育てる、新規事業への挑戦

―今後の展望について教えてください。

林代表 新規事業に挑戦していきたいですね。貿易以外でも、新しいことをやりたいという社員がいれば、そっちの方に行くのもありだと思います。

コロナ禍で飲食は相当な打撃を経験しました。会社として複数の柱を育てていく必要性を強く感じました。今はCoCo壱番屋という大きな柱がありますが、新しい軸を作ることで、会社も社員も安心して働ける環境を作りたいです。

人を育てながら、みんなで一緒に成長していきたいと思っています。

<会社情報>

株式会社ウィーアップコーポレーション
所在地 愛知県一宮市長島町4-1-1
設立 1981年3月
URL

http://www.wee-up.co.jp/

https://www.big-advance.site/c/202/2328

※情報と肩書は取材当時のもの
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