製造業を変革するプラポートの挑戦
AI活用で超速3日出荷を実現
静岡県静岡市で36年続くプラスチック切削加工会社、株式会社プラポート。素材販売のカットプラドットコムの立ち上げやAI見積もり自動システム「SellBOT」の開発でDXを推進し、受注3日後出荷を実現。この短納期を支えているのは自社でのリードタイム短縮のみならず協力会社との連携で、Big Advanceを活用したパートナー探しにも力を入れています。また、他業種からの転職者が多くいる同社は、多様な視点から改善を繰り返し、働きやすい環境を構築。近年は新卒採用も始まり、若手が活躍しています。総務部部長の木野氏、営業課課長代理の森氏、マーケティング担当の辻本氏に、変革の道のりと「100億円企業」への展望を伺いました。
株式会社プラポート 総務部部長 木野 智浩 様 / 営業課課長代理 森 陽平 様 / 営業部 辻本 夏月 様
異業種出身者が集う会社 改善文化で働きやすさを追求
─まず、御社の事業概要について教えてください。
木野氏 当社は1990年1月に静岡で創業し、今年で36期目になります。プラスチックの切削加工を行い、創業以来、工場の拡大を続け、2016年3月に現在の工場を新築し、現在に至ります。
当社では、お客様から図面をいただいて、プラスチック部品を加工して納品する受注生産のほか、当社が運営するWEBサイト「カットプラドットコム」での素材販売も行っています。こちらのサイトでは小さな素材の切り売りや、サイズ指定でのカット販売を行っています。
─従業員の構成に特徴があるそうですね。
木野氏 当社では中途採用が大半を占め、様々な業種から人が集まってきているので、いろんな文化がミックスされています。新しいものも取り入れやすく、風通しの良い社風ができているのかなと思います。新卒採用も4年ほど前から始め、辻本さんがその第3期生です。
辻本氏 私は大学で実験をたくさんしていたのですが、実験そのものより、何かを突き詰めて改善していくことが好きだと気づいたんです。それで日々工夫を重ねている会社を探していた時に、プラポートに出会いました。
─入社してみて、会社の雰囲気はいかがでしたか?
辻本氏 働きやすいと思います。福利厚生も充実していますし、何より「ここを改善できるんじゃないか」という意見を上げるとすぐに実現するんです。それがやりがいにつながっています。

─働きやすさの面でも、改善を重ねてこられたそうですね。
木野氏 当社では週に1回、リーダーや役職者が集まって、日報に書かれた全ての改善提案を議論しています。どうやって改善するか、実現可能かどうかを話し合って、すぐに実行に移すんです。辻本さんも改善案をよく出してくれますね。最近は提案より自分で改善を実行することの方が多くなってきたみたいですけど(笑)
森氏 出された改善案は、すぐに吸い上げる仕組みがあります。「やってもいいよ」と言ってもらえる環境があるので、みんなやりがいを持って働いてくれていると思います。
素材の販売サイトに見積AI化。DXが転機に

─大きな転機となったのは、どのような出来事でしたか?
木野氏 社長の発案で、カットプラドットコムを立ち上げたことですね。それまでは受注加工のみでしたが、このサイトを通じて素材販売を始めました。これによって、静岡県内中心だったお客様が全国に広がったんです。カットプラドットコムで素材を購入されたお客様に「実は加工もできますよ」と案内することで、加工品の受注にもつながっていき、事業が大幅に拡大しました。
─受注拡大に伴い、見積もり業務が課題になったとお聞きしました。
森氏 見積もり業務は本当に大変なんです。今、1日に100件、枚数で言うと400枚ぐらいの見積もりを出しています。お客様に早く回答することで成約率が上がるので、スピードを意識してきましたが、これを人の手だけでやるのは限界がありました。
木野氏 そこで経産省主催の実践的なAI人材育成プログラム「AIQuest(現在はマナビDX Quest)」に応募したところ選ばれまして、AI人材と一緒にAI見積もり自動システムを開発することになったんです。
森氏 このシステムのおかげで、1日400枚の見積もりをほぼ1人でこなせるようになりました。回答スピードが大幅に向上して、実際に売上も伸びてきたんです。
木野氏 実は、株式会社REVOXという会社を立ち上げて、「SellBOT」という名称でこの見積もりシステムの外販も始めています。

システムの外販も始めた、AI見積もり自動システム「SellBOT」
「3日後出荷」に欠かせない協力会社探し
─「日本一納期が早い会社」を目指されているそうですね。
木野氏 はい。通常、プラスチック部品の納期は2週間ぐらいかかるんですが、当社では受注決定から3日後に出荷する「金受月着」という取り組みを始めました。当社の造語なんですが、金曜日に受けた注文を月曜日にお客様にお届けするということです。
─短納期を実現するために、どのような工夫をされているのですか?
木野氏 自社ではとにかく効率化を図って、リードタイムの短縮に注力しました。ただし、それだけでは十分ではありません。社内だけで全てをやるのではなく、協力会社さんとの連携が重要なんです。社内のキャパを空けておいて、短納期で対応できる状態を常に保つ。社内でやった方が確実なものは社内でやって、それ以外は外注先にお願いするという形です。
森氏 ただ、短納期についてきてくれる協力会社さんを見つけるのは本当に大変なんですよ。今も常に探している状況です。

Big Advanceで見つける「共に成長する」パートナー企業
─協力会社の開拓に、Big Advanceを活用されているそうですね。
辻本氏 私はマーケティング担当として、ホームページの管理や顧客の集計などを行っています。Big Advanceは、営業から新規開拓をしたいという依頼があった時や、新しく登録されている会社を探したい時に使っていて、週に1回は見ていますね。
検索する時は、まず「製造業」を選びます。その後、フリーワード検索で「切削加工」というキーワードを入れるんです。プラスチックといっても成型加工と切削加工がありますから。
都道府県は特にこだわっていません。「商品を売りたい」「提携」といった要件が入っているものを検索しています。
─実際に成約に至った事例について教えてください。
森氏 当社は取引先が非常に多く、様々な業種に分散しているんです。月に1,000社ぐらいと取引していて、最も大きな取引先でも売上高の5%に満たない状況です。
しかも、1個から受注していますから、量産品は少ないんですね。1〜10個ぐらいの受注が7割を占めています。そのため1つの注文の金額はそれほど大きくありません。こういう小ロットの仕事を一緒にやってくれるところを探すのは本当に難しいんですが、Big Advanceで見つけた大阪の企業が対応してくれています。その企業とは今ではメインでお取り引きさせてもらっています。訪問もしましたし、先方にも来ていただいたこともあります。
─協力会社を選ぶ際、どのような点を重視していますか?
森氏 どういう設備があるかは重要ですね。当社と似たような機械をお持ちの会社だと、可能な作業がイメージできるんです。写真もよく見ますね。どういう企業さんかという雰囲気がつかめるので。
ホームページがない企業さんも登録されていて、そういうところを見つけられるのもBig Advanceの魅力ですね。
辻本氏 取り扱える材料も重要です。当社とは関係のない材料を扱っている企業にお願いしてもご迷惑をかけてしまうので、当社と近いことをやっているところを中心に探しています。
地理的には、大阪や愛知など、トラックで1日で来られるぐらいの距離を考慮しています。九州だとプラス日数がかかってしまいますから。
もちろん、まずは依頼してみることが大事です。断られても気にしません。ネット上でやり取りできるので、気軽に声をかけられるのが良いですね。

転機となった出会い 「楽しい」を選んだ決断
─これまでのキャリアの中で、転機となった出会いはありますか?
木野氏 40歳頃、前職で出会った先輩方に影響を受けました。ゴルフに行ったり旅行に行ったり、非常に仲良くさせていただいて、ざっくばらんに話せる友人関係を築けたことは本当にありがたいことです。この出会いがなかったら、転職を考えることもなかったかもしれないですね。50歳の時、定年まで10年、このまま過ごすより面白いことをしたいと思ったんです。ちょうどこの会社を知る機会があって、転職を決めました。
森氏 私にとっては、今の社長、宮季との出会いですね。転職フェアで知り合いました。
入社した頃はまだ町工場のような雰囲気が残っていて、辞めたいと思ったこともあったんです。そんな時、宮季が「やりたいことをやっていい、ついてくれば大丈夫」と言ってくれました。カットプラドットコムを立ち上げたりAI見積もり自動システムを開発したりと、会社が拡大していくなかで、「挑戦することは間違いじゃなかった」と確信できたんです。
今は自分も部下に同じように接しています。「まずやってみよう」と背中を押すようにしていますね。
目指すは100億円企業 従業員も協力会社も幸せに
─今後の展望について教えてください。
木野氏 遠い先になってしまうかもしれませんが、最終的には100億円企業を目指しています。そのためには、自分たちだけでなく、協力企業さんも含めてみんなで成長していきたい。従業員の給料も上がって、会社の利益も上がって、協力会社さんにも利益をもたらす。そういう企業になりたいですね。
当面は新工場を建てるので、そこでまず一皮むけましょうと。経営理念に「感動という生きがいの創造」とありますが、それを本当に体現して、従業員も周りの企業も幸せになる。それができたらいいなと感じています。

左:辻本 氏 / 右:森 氏
<会社情報>
| 株式会社プラポート | |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県静岡市清水区半左衛門新田135-1 |
| 設立 | 1990年1月 |
| URL | |


