オーダーカーテン製造のユニティー
次世代を見据えた持続可能な経営と人材戦略

オーダーカーテンの製造・販売から始まり、現在は室内装飾工事まで幅広く手がける岐阜県の株式会社ユニティー。人手不足という課題に直面する中、技能実習生との出会いを機に新たな視点を獲得し、海外展開への道筋を描いています。関西万博スペインパビリオンのカーテンを手がける技術力を持ちながらも、一時は廃業を検討するほどの危機を乗り越えた橋本代表。Big Advanceをフル活用した営業戦略から、ベトナムでの体験が変えた人生観と次世代への継承を見据えた想いまで、様々な取り組みの内容を伺いました。
株式会社ユニティー 代表取締役 橋本 幸治 様
スペインパビリオンにも採用される技術力の源泉
─御社の事業内容と創業からの歴史について教えてください。
当社はオーダーカーテンの製造と販売を中心に、クロス(壁紙)工事やカーペット工事などの室内装飾工事を行う会社です。オーダーカーテンについては全国から依頼を受けて制作しており、室内装飾工事は東海地区を中心に販売施工させていただいています。
私の祖父が1945年に当時日本に少なかったカーテンという分野にいち早く注目し、カーテンを作って販売する会社を創業しました。その従業員だった父が1985年に独立して個人事業として始め、1997年に法人化。私が2009年に代表取締役に就任してからは、社名も株式会社ユニティーに変更し、室内装飾工事も本格的に展開、内装のトータル提案ができるようになりました。
─なぜ室内装飾工事に事業を拡大されたのですか?
カーテンの加工だけでは手間請けの仕事になってしまって売上額を伸ばすのが難しく、次の設備投資ができない状況でした。銀行からの借り入れがしやすくなるよう売上を上げる必要があり、金額が大きい内装工事の分野に参入したんです。
実は親戚が内装工事をやっていて、これまでそこのカーテン加工を全て受けていたんですね。「うちもその分野に参入させてほしい」とお願いし、エリアが重複しないよう配慮しながら事業を拡大しました。その頃は会社が危機的な状況で、家族会議で廃業も検討したほどでした。でも家業を継ぐための修行先から帰ってきたばかりの私が「今やめるわけにはいかない」と一大決心して取り組んだのが、今につながっています。
─御社のカーテンですが、すごいところに採用されていると聞きました。
実は今、関西万博のスペインパビリオン内で吊られているカーテンは当社が制作したものです。特別なノウハウがないと出来ない製法なので、日本でできる会社はほとんど無いと思います。
「やるからには徹底的に」Big Advanceをフル活用
─Big Advanceとの出会いについて教えてください。
最初は金融機関の担当者から紹介されたのですが、その時は口頭での説明だけだったのでお断りしました。後日、実際にシステムを見せてもらい、マッチングやFUKURI(Big Advance会員用クーポンサイト)は使えそうだと思ったので導入することに決めました。月3000円とはいえ、やるからには徹底的に使おうと思いました。
導入後の効果は想像以上で、面談までの確率が約4割と非常に高く、特に同じ金融機関のネットワーク内にいる企業であれば、ほぼ100%会っていただけますね。
─具体的にはどのような成果が生まれていますか?
最近は三重県の企業と取引をしています。廣建様(株式会社廣建・建設業)とは今もお仕事をさせていただいています。最初のマッチングから仕事がすぐに決まり、継続取引に発展しているのは大きな成果です。
私はマッチングにおいて「継続性」を重視しています。1回限りの取引ではなく、人と知り合うことが重要で、その延長線上でビジネスができればいいという考えです。企業同士のお見合いのようなもので、お互いの相性が合えば良い関係を築いていけます。
─徹底的に使う、とおっしゃっていただいた通り、他にもたくさん活用いただいてますよね。
最近は大手企業とマッチングの機会も用意されていますよね。大手企業とビジネスができるかも、とマッチングでワクワクできるのが良いなと思いました。
Big Advanceではホームページも作成しています。画像や文章はAIで作成しました。当社は他にもホームページを持っていますが、今はBig Advanceのものを人に見せたいですね。わかりやすいので。
また、従業員から入れて欲しいと言われてFUKURIも使っています。映画館の割引はよく使います。クーポンを使える店舗が増えたとのことなので、周知していきたいと思います。
Big Advanceはもっと進化できると思います。今後の展開に期待しています。
これから始める方へ 実践的活用アドバイス
─Big Advanceを使いこなしていただいていますが、これから始める方やまだ慣れていない方に向けて、使い方のコツがあれば教えてください。
まずは一つの機能に絞って活用することをお勧めします。いろんな機能があるとは思いますが、あれもこれもと欲張らず、例えばマッチング機能を完璧に使いこなしてから次のステップに進む、というやり方が良いのではと思います。
仕事でも同じですが、「できません」という言葉をすぐに使わないことも大切です。どこまで努力したのか、どこまでは理解できたのかを明確にして、分からないことは積極的に問い合わせることが重要です。Big Advanceは定期的に機能がアップデートされており、本当に使いやすくなっているので、触れないということはないレベルまで簡単になっています。
また、登録内容を継続して更新することも重要ですね。週に一回は必ず更新して、常に新しい情報を発信し続けることで、より多くのマッチング機会を創出できますよ。
技能実習生との出会いが人生観を変えた
─これまでに印象に残った出会いはありますか?
技能実習生との出会いが自分の中でのターニングポイントでした。以前は正直、コストのことばかり考えていて「結局日本人より高くつくのでは」と躊躇していました。しかし人手不足で厳しい状況になり、ベトナム人の女性を受け入れることにしたんです。
彼女たちの国を実際に訪れてみて分かったのは、いかに日本が恵まれているかということでした。実家を訪問させてもらった時、昭和の戦後間もない時代のような地域がたくさんあって、この環境で生活している人たちが日本に来て一生懸命働いているんだと思うと、本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
その経験を従業員にも伝えたくて、去年は日本人の従業員も一緒にベトナムに連れて行きました。私たちがいかに恵まれた環境で仕事をしているかを共有することができました。
─これからの事業の方向性にも影響があったようですね。
今は海外展開を本格的に検討しており、カンボジアなども候補地に入っています。技能実習生として来日し、技術を身につけて帰国した人たちと一緒に現地で事業を行えれば、お互いにとってメリットがあると考えています。
まずはここでDXを推進して、手作業部分の機械化に積極的に取り組んでいます。その成功モデルを海外展開にも活用していきたいと考えています。
マーケターの森岡毅さんの言葉にも影響を受けているのですが、視野を広げなければダメだという考えで、もう海外しか見ていません。ベトナムまで6時間で行ける時代ですし、技術的にも人的にも海外との連携は今後必須だと確信しています。
次の世代でも会社が継続できるか?を常に問う
─SDGsへの取り組みと、今後の展望についてお聞かせください。
当社では廃材の再利用と健康経営の推進に力を入れています。廃材については、カーテンの端切れをコースターなどに再利用して、少しでも廃棄物を減らす取り組みを行っています。廃棄物を燃やさないことが二酸化炭素の排出を抑えることにもつながりますし、環境問題は企業として無視できない課題です。当社は「ぎふSDGs推進ゴールドパートナー」であり、持続可能な経営に取り組んでいます。
次の世代になったときに会社は継続できるか?と問われた時に、自信を持って「はい」と言えないといけません。だから新しいことにはどんどん挑戦していきます。
今、私が影響を受けているのは意外にもTikTokだったりします。色んな経営者やスポーツ選手の言葉を聞いて、自分の仕事に活かそうとしています。自分が何に取り組むべきかを判断するために、情報は自ら取り入れていかないといけません。
私が自信を持って言えるのは「自分は他の人より出来ない」ということです。みんなの方が詳しいはずだから常に勉強しないといけない。
「謙虚であれ」を胸に、これからも進み続けます。
<会社情報>
株式会社ユニティー | |
---|---|
所在地 | 岐阜県岐阜市野一色4-4-19 |
設立 | 1935年(創業) |
URL | |
※情報と肩書は取材当時のもの |