2025年05月19日

「教師から起業家へ」「花からフルーツへ」
成約を獲得し続ける株式会社フルコレの軌跡

福井県でフルーツ・野菜のフリーズドライ商品を製造している株式会社フルコレ。独自の製法によりフルーツや野菜本来の形状を保ち、美しい見た目と高い栄養価を実現したフリーズドライ商品は、多くのお客様に愛されています。代表取締役である大嶋氏に、フルコレ創業までの背景や、独自の製法、商品に対するこだわりなどについてお伺いしました。

株式会社フルコレ 代表取締役 大嶋 さち 様

お花のフリーズドライ加工をフルーツに応用 多くの人に注目される商品へ

-事業の概要について教えて下さい

当社は福井県でフルーツのフリーズドライ商品をつくっています。近年価格の乱高下が激しい野菜も扱っており、受注生産という形で対応しています。コロナ禍以前は八角瓶の商品が人気でデパートの催事での販売が大きな売上を占めていたのですが、コロナ禍でデパートの集客力が落ち、出店しても売上が立たないという状況でした。コロナ禍後はフルーツを預かってカット+加工をしてお返しするという加工委託業務を拡大し、現在に至ります。

-創業の経緯を教えて下さい

私は元々広島の公立高校で国語の教師をしていました。その後フラワーアレンジメントの先生として、障がい学習センターで教えはじめました。当時教室に運ばれてくるフリーズドライ加工されたお花は、ベルギーからの上質なお花だったはずなのに、古くなって色が悪い状態ものばかりでした。これではダメだ、もっと鮮やかな色を保ったものができないかと、自分でフリーズドライのお花を作ることにしました。

その後、綺麗な状態を保ったフリーズドライフラワーを作れるようになったわけですが、今度は花で着色をするお塩をつくる機会がありました。「塩は口にいれるものだからフルーツや野菜で着色した方が食べやすくなるのではないか」と考え、フルーツ・野菜のフリーズドライを手がけ始めたのが、現在の商品の原点です。

幕張メッセで行われた展示会に出店した時は、北陸3県で歴代初めて「美食女子グランプリ」を受賞したり、大手バイヤー様と出会えました。デパートの催事では約120〜130万円の売上実績を出したことで、次はさらに大きな売り場を設けていただき、またその売り場を別のデパートの方が見に来てくださって、色んな催事出店につながり本格的な創業に至りました。

漠然としたイメージを形にできるのが強み

-御社の商品が大手企業様やお客様に選ばれる理由はなんですか?

私は「お客様の漠然としたご要望を形にすることが得意」だと思っています。独自のフリーズドライ製法があるので対応できる範囲が広く、また、繊細なお花のフリーズドライ加工に比べるとフルーツや野菜は頑丈なので、ほぼ元の形状を維持したまま加工できます。小さな工場で私のこだわりを再現してくれる従業員がいますし、そういった点でも様々なご要望に対して臨機応変に対応しています。

また、最近はいちごにしてもぶどうにしても、名前が付けられてブランド化しているフルーツが多いので、安く仕入れることが難しくなったんですね。なので日本のぶどうと糖度がほぼ同じのチリ産のぶどうを取り扱ったり、土木工事の放棄地にいちじくを植えて年中いつでも販売している企業様からいちじくを買ったりすることで、安定的に仕入れることができるようになりました。そういう工夫をしているのでお客様の手の取りやすい価格で販売できているのも強みの一つだと思います。

営業の代わりに商談会やマッチングを積極活用

-商談会では、どのような企業様とつながることができましたか?

Big Advanceの商談会ではいろんな企業様と出会えました。お茶屋さんや駅構内で店舗を構える企業様、フルーツの仕入先となる青果店様などです。私たちがつくる試作品は他に比べるとリーズナブルで、少量多品種の対応が可能なため、取引を始めたいというお客様にはとても喜んでいただいています。Big Advanceを通してつながった企業様からの紹介でまた別の企業様とつながるということもあり、積極的な営業活動をしていない中でもお取引先様が増えていきました。

創業のきっかけとなった出会い

-大嶋様の中で、転機となった出会いはありますか?

家族との出会いがあったから、教師を辞めて自分で事業を始める道を選ぶことができました。初めて大型展示会へ出展した時はわからないことばかりの中、経営経験のある家族がサポートしてくれたおかげで様々な事がスムーズに行えました。いつも家族が助けて支えてくれたので、フルコレを軌道に乗せてここまで来られたのだと思っています。

フルコレの強みを活かして他社と協業 「含浸チョコ」の刷新

ー最後に、今力を入れている新しい取り組みなどがあれば教えてください。

今、含侵チョコレートを製造しておられる企業様と力を合わせて新しい含侵チョコレートの開発を行っています。含浸チョコレートとは、フルーツなどをフリーズドライしたときに水分が抜けた穴にチョコレートを染み込ませる製法を用いたお菓子で、フルーツの糖度やカットの仕方によってチョコレートの染み込み具合が変わってきます。製造の難易度が高いのですが、細かな調整が得意な当社の強みを活かしつつ、よりお客様に楽しんでいただけるチョコレートを作るために、これからも企業様と協力していきたいと思っています。

<会社情報>

株式会社フルコレ
所在地 福井県福井市飯塚町30-26
設立 2018年7月
URL

https://frucolle.com/

※情報と肩書は取材当時のもの
  • SNSシェアこの記事をシェアする

関連記事を探す

アクセスランキング

  • メルマガ会員募集中
  • Big Adance