2026年09月29日

太陽光事業者グリーンエレクトリックが挑む。
専門知識を強みに築く、信頼のインフラ

神奈川県伊勢原市に拠点を置くグリーンエレクトリック株式会社は、新築住宅から高圧受電のスーパー・倉庫まで、太陽光発電の設計・施工と電気工事を手がけています。代表の佐々木一志氏が語る同社の強みとは、パネルの配置だけでなく電気配線図まで自社で担当する設計力にあります。東日本大震災でのボランティアの経験の後、この業界に飛び込むと決めて知識を磨き、電気の専門家であり続けることにこだわってきました。営業マンとしてのあり方を教わったエピソードから、Big Advanceで生まれたご縁、今後の展望まで伺いました。

グリーンエレクトリック株式会社 代表取締役 佐々木一志 様

単なる「太陽光屋」にはとどまらない、設計力へのこだわり

─ まずは御社の事業内容を教えてください。

主に太陽光発電の取り付けを行っています。新築の住宅はもちろん、高圧のキュービクル(受変電設備)があるようなスーパーや倉庫といった、高圧受電の施設にも対応しています。

当社の特長は、パネルの配置だけでなく、電気の配線図面まできちんと自分たちで設計している点です。先日も足立区で8階建てのマンションを1棟丸ごと停電させて、深夜1時から3時までケーブルの張り替え工事の現場責任者を務めました。太陽光発電の発電量が大きくなると、既設のケーブルが細いままでは受け止めきれず、最悪の場合は発火などの事故につながることもあります。だからこそ、電力会社への申請から設計、施工まで一貫して対応できる体制を大事にしています。

太陽光発電を扱う会社の中には、電気の専門知識をあまり深めないまま設置を手がけているケースも一定数あるように感じています。私自身、メーカー・商社・工事会社と経験してきましたが、それだけでは結局「箱物を売るだけの太陽光屋」で終わってしまうのではと感じます。これからはますます電気やAIの時代になっていきますから、「確かな知識と技術を持ち、それを社員にもきちんと落とし込んで、安全に太陽光を提供できる会社である」という誇りを持って続けていきたいです。

確かな知識と技術へのこだわりを、静かな口調で語ってくれました

東日本大震災でのボランティアから、自然と導かれた現在の道

─ 佐々木さんがこの業界に入られたきっかけを教えていただけますか。

もともとは佐賀県の出身で、大学で群馬県の高崎に出てきて、そのまま都内の酒屋の卸問屋に就職しました。飲食店に営業してお酒を卸す仕事です。転機になったのは東日本大震災でした。地震が起きてしばらくして、「酒を売っている場合じゃないな」という気持ちになり、次の仕事も決まっていないまま、バンド仲間と一緒に福島県へボランティアに通うようになったんです。

アルバイトや派遣の仕事をしながら通い、行くたびに太陽光発電が増えていくのを目の当たりにしました。そろそろ正社員として腰を据えなければとも感じていた時期で、この業界に飛び込むことを決めました。もともと独立願望のあるタイプなので、経験を積む中で「このままでは終われない」という思いが強くなり、起業に至ったという流れですね。

─ 当時は太陽光発電が急速に増えていきましたが、現在の状況は?

一番大きな変化は2012年ごろに始まった固定価格買取制度(FIT)です。売電価格が高く設定されたことで、投資商品としての側面が強まり、一気に普及が進みました。ただ、その過程で、電気の専門知識が不足したまま業界に参入する事業者も増えてしまったんです。だからこそ、今は設計から施工まで一貫して対応できる、ちゃんとした技術を持つ会社が求められている時代だと感じています。

Big Advanceで生まれた、太陽光会社同士のつながり。
次は建築関係会社とご縁を結びたい

─ ところで、太陽光の営業とはどのように進めるのでしょう?

もともと飛び込み営業が得意で、酒屋時代からずっと自分の足で開拓してきましたが、最近は金融機関からのご紹介や、営業代行サービスなどを活用しています。

これから特にお付き合いを強化したいのは、工務店さんや地元のゼネコンさんといった建築関係の会社です。太陽光は「よくわからないから」と敬遠されることが多く、太陽光に苦手意識を持っている電気工事会社も少なくありません。電力会社から受け取る電気をどう建物に届けるかという発想でずっとやってきた方にとって、逆に電気を送り出す太陽光の仕組みは理解しにくいようです。だからこそ、設計まで私たちに任せていただければ、太陽光発電をもっと安心して増やしていけると思っています。

─ Big Advance経由で商談が成立した事例があるそうですね。

はい、創業6年ほどの若い太陽光の会社さんで、当社の強みである電気設計の力を評価いただいて、「案件現場があれば」とお声がけいただく形になりました。実際に2件、案件が動いています。その後しばらく新しい話は出ていませんが、近くを通ることがあれば顔を出そうと思っているところです。

この業界は飛び込み営業がしづらい業種なので、こうしたマッチング機能は本当に有効だと感じています。今後も、こうしたご縁を一つひとつ丁寧に育てながら、建築関係の会社さんとの接点を広げ、設計から任せていただけるような信頼関係を築いていきたいと考えています。

営業の本当の意味を教えてもらった出会い

─ これまでの印象的な出会いを教えてください。

30歳になる少し前、勤めていたメーカーから大手商社に一年間出向したことがありました。北海道から沖縄まで営業所が100以上あるような会社でしたが、担当部署は私を含めてたった4人。太陽光の知識もまだ半年ほどしかない中で、各地の営業所やその先の取引先からの問い合わせをほぼ私ひとりでカバーしなければならず、トラブルになることも少なくありませんでした。

そんな時、出向先の上司にあたる方が、私には何も言わずに、トラブルになりそうな案件を先回りして手を打ってくれていたんです。後になってそのことに気づき、営業マンとしての考え方、基本的な姿勢を、その方の背中から学ばせてもらったと感じています。酒屋時代はとにかく数字を追いかけるという営業でしたが、その経験を通じて、お客様が求めるものをその時その時に提供できて、かつ将来的に満足いただける仕事をすることこそが営業なのだと、考え方が変わりました。

仕事する上での視点や向き合い方として、こうした話を社員にも伝えていますね。

出向時代の思い出を語る佐々木氏

電気の知識を次の世代に残せる会社を目指す

─ 最後に、ぜひ今後の展望を聞かせてください。

まずはAIをきちんと活用できる会社になりたいと思っています。見積もりや受発注、案件管理の自動化はもちろんですが、業界が抱えている課題を、自分たちの知恵とAIを組み合わせて解決していきたい。具体的な中身はまだ秘密にさせてください(笑)。

これからも、“チャレンジャー”としての姿勢は変わりません。まだ知り得ていない電気の知識や経験をしっかりと積み重ね、それをちゃんと会社の財産として蓄えていく。日本ではベテランの技術や知識が若い世代にうまく継承されていないという課題がありますが、それを少しでも解決できるような会社でありたいと思っています。次の世代にきちんと残せる会社になる。気の早い話かもしれませんが、それが今の目標です。

<会社情報>

グリーンエレクトリック株式会社
所在地 神奈川県伊勢原市東成瀬31-2
設立 2023年11月
URL

https://www.green-electric.jp/

※情報と肩書きは取材当時のもの
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