2025年03月17日

思わぬ商談から成約へ
新たな価値を創造し続ける中野MONOテクノロジー

バブル崩壊を区切りとして産業構造が一変した日本。元々は木型屋だった中野MONOテクノロジー株式会社は、その時代をテクノロジーの力で乗り越えてきました。現在も、Big Advanceの商談会イベントでの他業種との成約などを通じて、協業の重要性を強く主張しています。
今回は専務取締役の中野淳平氏に、他業種とのビジネスマッチングの重要性や、身近な人と事業を協力して進めていくことの大切さについてお話を伺いました。

中野MONOテクノロジー株式会社 専務取締役 中野淳平様

テクノロジー化」を実現し、苦境を乗り越えた会社の現在

―御社の事業と歴史について教えて下さい

当社は元々木型屋でした。日本経済が大きく発展したバブル期は、ただ頼まれた仕事をやっていれば、経済成長とともに会社も成長するような時代でした。それぞれの職人には決まったお客様がいて、新規開拓をする必要もありませんでした。ですが、バブル崩壊をきっかけに、腕だけで生計を立てていた職人が次々と倒れ、テクノロジーや他社との協業が必要な時代へと変わりました。”ものづくり”が大いに評価された時代が終わり、それ以上の価値を生み出さなければならない時代へと移り変わったのです。

当社は、新たなテクノロジーの導入、他社や親戚との協力を経て、その窮地を乗り越えました。
代々受け継がれている【中野】という名字、ものづくりをする会社という意味の【MONO】、そして【テクノロジー】をかけ合わせて、2009年に【中野MONOテクノロジー株式会社】が誕生しました。

現在は検査治具の製造に注力しています。当社で作っている治具は、車両パーツなどの特殊な形状(曲線)の寸法を測るためのもので、特に内・外装品のフレームを検査するために使われています。簡易的で検査精度の高い治具を製造できる会社が年々減っているので、当社が製造するような治具の需要が高まっています。
当社の検査治具は正確性が高いと言っていただいており、関係者の間で「中野さんの治具を使っている」ということは「正確性が高く安心」という意味に繋がっています。会社の信頼性にも直結しているので、精度の高いものを作り続ける努力をし続けています。

マッチングはタイミング!潜在的な思いが成約につながる

―窮地を乗り越えるためには、テクノロジー化と、他社や親戚との協力が大切だったんですね。今でも他社との協業というところの考えはお変わりないのですか?

バブル崩壊後から現在まで、他社と協力してより多くの価値提供をしたいという気持ちは変わっていません。当社の業態の特徴として、以前は依頼されるお仕事の繁閑の差が非常に大きいということがありました。決まった顧客とのみお取引をしていると、どうしても負荷のバランスが偏ってしまいます。「負荷の均一化」をはかるために新たな取引先を見つけたい、横のつながりを増やしたい、という思いで導入したのがBig Advanceでした。

最初はビジネスマッチングの機能を活用していたのですが、なかなかマッチする企業を見つけられませんでした。
そんな時に、碧海信用金庫様からのメールで『オンライン商談会』の案内が来たので参加してみました。そこでたまたま商談を申し込んでくれたのが、株式会社レガロニコ様(マーケティング・集客・ホームページ制作等を得意とする会社)でした。当時は検査治具の販路拡大をしたい、という内容で参加していたのですが、ホームページの刷新をしたいということも頭の片隅にあったので、本当にタイミングが良かったです。

レガロニコ様にホームページ制作を依頼した決め手は、作成いただくホームページから得られる成果をしっかりとご説明いただけたことです。はじめは人材採用のためのホームページを作りたいと考えていたのですが、途中から検査治具以外の自社商品も紹介するためのページを作りたいと思うようになりました。制作の進捗に関するやり取りも、メールだと他のメールに埋もれて見つけられないこともあるのですが、レガロニコ様はチャットワークで連絡をくださるので非常にありがたいです。そして何より、担当の方が、それまでホームページ刷新について時間を費やし悩んでいた私の背中を押してくれました。現在もやりとりを継続しており、リニューアルを進めています。

「ビジネスマッチング」と聞くと、双方の売りたい・買いたいが合致したときにのみ成立するものだと思われがちですが、今回のように、潜在的なニーズとタイミングさえ合えば思わぬ成約が実現します。このようなマッチングの可能性が、Big Advanceの中で広まるといいですね。

「親族経営」の実態とは

―御社の、経営がうまくいく秘訣はありますか?

当社は、親戚一同力を合わせて事業をしています。元々、中野MONOテクノロジーという会社は、親戚の三兄弟が順に社長を務めて、その息子たちも同じ会社で働いていました。前社長は、親戚である私の指導にも力を注いでくれました。「中野MONOテクノロジーは、中野家みんなで力合わせてやっていくんだ」という思いを浸透させてくれました。
一般的に、親族経営と聞くと、「うまくやれているのか」と心配の声が上がりがちですが、当社は親戚一同本当に仲良く、力を合わせて事業を進めています。というより、1人では絶対にできないので、こういう風に全面的に協力をしてくれる親戚には心から感謝しかありません。

左:碧海信用金庫・三浦氏、右:中野専務

中野MONOテクノロジーの3つの展望

―最後に、御社の今後の展望について教えて下さい。

今後については、主に3つ展望があります。

1つは、前にもお話ししましたが、他業種と力を合わせて事業を進めたいという想いがあります。基本的に中小企業には余裕がないんですよね。実際、過去に託児所を作りたいと思ったことがあり、他社に声をかけたことがあったのですが、なかなかうまく行きませんでした。今でも他業種と一緒に仕事をしたいという想いは変わらないので、今後は業種の壁を超えて、事業の可能性を広げたいです。

2つめに、従業員にもっと外の世界を見せたいという想いがあります。例えば他社に出向して、他業種の業務を体験してもらったりして、色んな世界を知ってほしいです。この業界以外の知見や学びを得る機会を与えてあげられればいいなと思います。

最後に、負荷の均一化を成し遂げたいと思っています。当社のような会社は、繁忙期と閑散期の仕事量がかなり異なるため、どうしても忙しい時期には従業員に相当な負荷がかかってしまいます。
私を育ててくれた先輩従業員や、いつも懸命に働いてくれている従業員への感謝の気持ちも込めて、福利厚生をより充実させたり、自分たちの作ったものにスポットライトが当たるような機会を作る工夫をしたいです。「この会社で働いていてよかった」と思ってもらえるような会社を作っていきたいと考えています。

<会社情報>
中野MONOテクノロジー株式会社
所在地 愛知県刈谷市今川町鍋田39番地
設立  昭和30年10月1日
URL  http://www.nakano-t.co.jp/company.html

※情報と肩書は取材当時のもの

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