チーター君から学ぶ、
限りあるエネルギー「集中力」の使い方
-5つの実践テクニック-

あれもこれもと手を出して、気づけば何も進んでいない。そんな経験はありませんか?
実はマルチタスクこそが生産性を下げる最大の原因だと、公認会計士の斎藤先生は言います。時速100Kmで獲物を追う地上最速のハンター、チーターの狩りから学ぶ「シングルタスク」の威力とは?斎藤先生が実践する「集中力を守り抜いて成果を出す」方法を伺いました。
*前回の「定時で帰って推し活しよう!『効率化とアリさん〜時間の大切な使い方』」では仕事の効率化について伺っています。こちらもぜひチェックしてみてください!
インタビュー記事はこちら
優柔不断なチーター君の悲劇
もし、サバンナに「優柔不断なチーター君」がいたら、どうなるでしょうか?全力で走りながら
「あっちのガゼルにしようか、いや、近くのシマウマを狙おう!」
「よし!噛みつくぞ!と思ったけど、やっぱりシマウマは大きいから、ガゼルに変えよう…」
獲物を前にして、そんな風に迷い、何度も行ったり来たり。おそらく、その日の夕食にありつけず、飢えてしまうでしょう。
(なんで、全力で走りながら悩むんでしょうね?(笑)、決めてから走ればいいのに…)

一方、本物のチーターは違います。獲物を一つ決めたら、脇目も振らず一直線。時速100 Kmを超える全力疾走で、その獲物だけを追い続けます。この「徹底したシングルタスク」こそが、地上最速のハンターが狩りで成功を収める秘訣です。
私たちの仕事も、実は同じです。
何も考えずに仕事をしていると、気づけば「あのメールに返信して、この資料も作って、会議の準備もして…」と、まるで優柔不断なチーター君のように、あちこちに意識が分散してしまいます。これが、知らず知らずのうちに陥る「マルチタスクの罠」です。でも、意識してシングルタスクに切り替えるだけで、仕事の質もスピードも劇的に変わります。
「マルチタスク」ってカッコいいと思っている方、いませんか?
むしろ、シングルタスクこそが本当の生産性を生むのです。自信をもって「僕って、一度に色々なこと考えるのって苦手なんだよね。」と言ってしまいましょう!
(私は、自信をもって言っています。)
メールや通知に気を取られ、真の集中力を失っている私たち。チーターの狩りのプロセスを観察することで、生産性を劇的に高めるためのヒントが見えてきます。この野生の流儀を、現代の働き方に取り入れるための具体的なテクニックを見ていきましょう。
集中を乱す「雑音」の徹底排除(シングルタスクの鉄則)
チーターは、広大なサバンナの中で一度獲物を決めると、その一点に全意識を集中させます。もし途中で別の獲物や、ライオンの気配といった「雑音」に気を取られたら、命取りになりかねません。
私たちの仕事でも、同じことが起きています。
チーターにとっての「雑音」が別の獲物やライオンの気配なら、私たちにとっての「雑音」とは、マルチタスクによって生じる「タスク・スイッチング(作業の切り替え)」です。資料作成中にメールをチェックする、通知が鳴るたびにスマホを見る――そのたびに脳は負荷を受け、集中力の回復に時間を要します。
このロスを防ぐには、チーターのように「今日、最も重要な成果を生むタスク」を一つだけ選定し、それに「ロックオン」するシングルタスクの徹底が必要です。
では、具体的にどうすればいいのか?
集中力を邪魔させないための実践テクニックを、順番に見ていきましょう。
集中力を邪魔させないテクニック
【1】時計を非表示にする
集中している最中にPC画面の隅の時計を見て、「残り時間が少ない」「もうお昼だ」などと意識が散漫になることがあります。これは一種の「時間ストレス」です。PCの時計や、デスクの時計を、集中作業中はあえて非表示にし視界から外すことで、タスクそのものに意識を向ける時間を長く保てます。
【2】 通知はオフにする
スマートフォン、PC、スマートウォッチなど、すべてのデバイスのチャット、メールの通知は完全にオフにします。視覚的・聴覚的な「ピコン!」という刺激を遮断し、「自分だけの静かなサバンナ」を意図的に作り出します。
ちょっと、勇気がいるかもしれませんが、私は俳句風に後輩に伝えるようにしています。気にせずにメールを見ない。通知も切る。そんな時間を作りましょう。

【3】メールやチャットを見ない
メールやチャットは、あなたの集中力を奪う最大の泥棒です。
集中を要する作業中はアプリを閉じ、1日のうち「朝」「昼」「夕」など、時間を決めて数回だけ確認するルールを徹底します。
【4】 早朝と夕方でタスクを分ける
まだ通知や会議が少ない早朝・午前中は、脳が最もクリエイティブで集中力が高い状態です。思考力や創造性を要する「重要タスク」(資料作成、企画立案、複雑な分析など)に特化させます。
一方、集中力が緩やかに低下する夕方・午後は、定型的なタスクや「雑務」(メールチェック、簡単なデータ入力、ルーティン作業など)に割り当てます。脳の負荷を抑え、無理なく作業を進めることで、集中力の急激な消耗を防ぎます。
【5】 週初めに重要タスクを入れる
週の後半になるにつれて、疲労や予期せぬ会議が増え、集中力が削がれやすくなります。だからこそ、最も体力が充実している「週初め」に、最も達成困難な「重要タスク」を集中させましょう。
月曜日の午前中など、週の最もエネルギーが満ちている時間に、その週の成果を左右するタスクを片付けることで、心理的な余裕も生まれ、週全体の集中力を高いレベルで維持しやすくなります。
集中力というエネルギーの最適配分
チーターの狩りには、私たちが学ぶべき「集中力の使い方」が凝縮されています。
まず、獲物を一つに絞る。複数の獲物に目移りせず、一点集中です(テクニック①②③)。そして、エネルギーを最も効果的なタイミングに注ぐ。チーターの全力疾走はわずか数十秒で限界を迎えるため、体力が充実している時に狩りを行います(テクニック④⑤)。
私たちの集中力も、同じように「有限なエネルギー」です。
メールや通知という「雑音」を排除し、脳のパフォーマンスが高い時間帯に重要タスクを割り当てる。チーターが無駄な追跡を避けるように、私たちも限られたエネルギーを最も効果的に配分する戦略が必要です。
(なお、私は「人間は疲れるもの」と信じています。)
【プラス1!】最後に最も重要なテクニック
「疲れているな」と感じたら、いったん寝ちゃいましょう(笑)
プロとして求められている事は、「時間を拘束されること」ではなく「成果を出すこと」です。働かない頭で徹夜をしても決して良い成果は出せません。試しに早めに寝て、早朝からお仕事をしてみてはいかがでしょうか。
(私は正直者ですので、チームメンバーにも疲れたから寝るねって伝えて寝ちゃっています。)
集中力を「守り抜く」ことが、生産性の鍵

現代社会の「マルチタスクの圧力」は、絶えず私たちの集中力を狙っています。しかし、チーターは賢明です。彼らは、最高のパフォーマンスを発揮するために、「最も重要なこと」に全力を注ぎ、「集中力を邪魔させない」環境を自ら作り出すという、シンプルな原則を貫きます。
今回ご紹介した具体的なテクニックは、すべて「集中力を守り抜く」ためにあります。小さな工夫を習慣にすることで、あなたの仕事の質とスピードは飛躍的に高まり、真の生産性を実現する鍵となるでしょう。
さて、今回はチーター君から「集中力の使い方」を学びましたが、そもそも「なんのために効率化するのか?」も大事ですよね。前回の「定時で帰って推し活しよう!『効率化とアリさん〜時間の大切な使い方』」では「余力を残して定時で帰る」ための効率化についてお話ししています。こちらもぜひチェックしてみてください!
<執筆者情報>
斎藤勇樹公認会計士事務所
所在地 神奈川県川崎市幸区
設立 2025年2月
URL https://www.big-advance.site/c/157/2891
※情報と肩書は取材当時のもの
※一部画像を、ChatGPTで生成しています。









