方言はビジネスを加速させる

ビジネスの世界では「論理的で洗練された話し方」が求められがちですが、実は、あなたの何気ない“方言”こそが、相手の心を動かす大きな武器になるかもしれません。
方言には、言葉以上の魅力があります。相手との距離を縮め、人の心を開き、印象づける力。本記事では、方言がなぜビジネスを加速させるのか、その理由と活用方法を解説します。
福岡県出身のココペリ社員です。九州営業所で営業担当をしています。
今日は、私が営業の現場で実感した『方言の力』について、具体的なエピソードを交えながらお話しします。
1. そもそもなぜ今「方言」なのか
近年、ビジネスの場ではAIの台頭や人口減少に伴う業務効率化の波が押し寄せています。一方で“人間らしさ”や“親近感”が以前にも増して重視され、共感や距離感の近さが成果につながるという主張も増えています。
営業の仕事をしていくうちに、営業では何が大事なのか、何が相手を笑顔にし、親近感を持たせて関係構築できるのかを追求したところ、必要なスキルの1つに「方言」があるのではないか?と考えました。
先日、全国各地の人と会って話をするカンファレンスに参加して、懇親会で会話する機会がありました。その中で、方言を使っている人と話をするとその人の個性が見え、さらに話を聴きたくなりましたし、私も通じる程度の方言を出すことで会話が弾みました。その結果、普段よりもさらに深くビジネスの話をすることができました。
方言は単なる言葉の違いではなく、個性・信頼・共感を生む“強力なコミュニケーションツール”ではないかと考えています。

2. 方言がビジネスを加速させる3つの理由
① “他の人と違う”という強みに変わる
方言はその人のオリジナリティーを作る要素であると考えています。
普段の会話、セールス、採用、広報、SNSなどでも「印象に残る人」になることは大きな武器です。
ビジネスの場で際立つことは、選ばれる理由の1つにもなります。
私は前職で個人向けの保険営業をしている時期がありました。初めての営業エリアは関東某所、営業スタイルは飛び込み営業です。ご想像に難くないと思いますが、インターホン越しに断られることが当たり前でした。インターホン越しに少しでも「印象に残る人」になり、話を聞いてもらうために試行錯誤した中の1つが方言でした。
会話もなく数秒で通話を切られることが当然でしたが、方言を使い始めてからは稀に「◯◯県の方です?」など相手から話を広げて頂けるケースも増え、会話のきっかけになりました。
②親近感・信頼感が生まれる
標準語よりも柔らかい印象を与えることが多く、警戒心が薄れます。また、方言は仲間意識を芽生えさせ、社内の人間関係を良好にすることもできるでしょう。
・営業トークに少し方言を織り交ぜるだけで相手が笑顔になる
・初対面でも距離が縮まりやすい
・社内で同じ方言同士の会話であれば自然なコミュニケーションに繋がり、業務連携がスムーズに
例:「それ間違ってない?」→「それ間違っとらん?」
同僚への指摘も語尾を変えるだけで嫌味なく伝えられます。
③ 心理的ハードルを下げ、コミュニケーションが円滑に
方言は「力を抜いた会話」につながりやすく、相手も自然とリラックスします。力が抜けると、お互いにより踏み込んだ会話がしやすくなります。
商談や交渉、採用面談などのビジネスの場ではもちろん、社内のコミュニケーションなど、多くの場でプラスに働きます。
3. 企業・個人での活用事例
・SNSで方言キャラを使った企業アカウントが人気に
・地方企業の採用で“地元感”を出すと応募が増えた
・コールセンターで方言対応を導入した結果CS満足度が向上した
方言は「その土地らしさ」を感じさせるため、ブランドの独自性にもつながります。
4. 使い方の注意点
方言は万能ではありません。
・相手が理解しにくい表現は避ける
・多用せず、あくまで“スパイス”として使う
・相手の文化や年齢層には配慮する
・社内外でのフォーマル文章には控える
「伝わること」がコミュニケーションの基本なので、バランスが大事です。
「しちゃかちゃ」「とっとーと」「ずんだれとる」「がり散らかす」など、会話の流れがあったとしても相手に伝わりにくい表現は避けることが無難です。

5. まとめ:方言は「武器になる個性」
方言は、自身の背景やアイデンティティーが宿った“武器になる個性”です。
無理に標準語だけに寄せず、方言を上手く使うことで、信頼をつくり、相手に印象を残し、ビジネスを前に進める力になります。
とはいえ、上記は参考程度にして頂き、自然体で接することが最も良かばい。
【博多弁答え合わせ】
「しちゃかちゃ」→物が散らかった様子や乱雑な出来事を表すこともあります。「めちゃくちゃ」の類義語のようなイメージです。
「とっとーと」→物を確保している、また、録画しているという意味もあります。
「ずんだれとる」→だらしない、身なりや態度がだらっとしている様子です。
「がり散らかす」→怒りまくる様子です。
「はわく」→ほうきなどで掃くという意味です。※正式な意味ではなく、あくまでも個人的感覚です
作画/ココペリ・黒沢禎富









