メディアの力で変わる製造業〜メディアを通じた若者採用の新潮流

新卒社員の私が「ものづくり」の社長と話して感じた、若者採用に対する諦め
こんにちは。2024年に大学を卒業し、現在Big Advanceの運営会社である株式会社ココペリで働いている新卒社員の佐藤です。
入社して約1年、業務の中で様々な業種の社長にお話を聞く機会がありました。
今回の記事ではその中でも「製造業」に焦点を当て、メディアにおける情報発信の現状と今後についてお話します。
私が製造業の社長にお話を伺う中でよく聞くのが「今どきウチみたいな力仕事の会社で働きたい若者なんていないんだよなぁ」という言葉です。私の父も産業用機械を製造する会社の社長なのですが「機械製造なんて力仕事、求人出しても1人応募来るのが奇跡だよ」と言います。私はこの言葉に少し違和感を覚えました。
彼らが想像する通り、「工場で勤務すること」に対する若者のイメージは、明るいものでは無いように感じます。しかしそれは、「工場に勤務したくない若者が多い」のではなく、「若者が工場勤務を含めた”製造業全て”に対して得られる情報が少ない」ことが問題なのではないかと思います。
「工場勤務女子」TikTokで大バズリ
「工場勤務女子」というワードがTikTokで話題になったことをご存知でしょうか?
2人の女性が投稿した、工場勤務に関する動画がTikTok上でバズりました。
1つ目の動画では約11万いいね、2つ目の動画では約3万いいねを獲得しています。
1つ目の動画は、
・工場での勤務は単純作業が多いから慣れれば楽
・人と話さない作業が多めだから人間関係のストレスが生じにくい
・髪色やネイルが自由
・給料が意外と高い
・残業がほぼゼロ
など、工場で勤務することのメリットを書き出したものです。
2つ目の動画は、
・前職(人と接する機会が多い職業)では、職場に向かうときに誰か車で私に衝突してほしいと思うくらい憂鬱だった
・工場で勤務している今は残業が少なく、給料も以前より高い
・前職では無理して笑顔で振る舞っていたが、今は気楽に仕事ができている
という内容です。
そしてそれぞれのコメント欄では、
「私も工場勤務です。合わなくて辞めちゃう人もいるけれど、合う人には本当に合います」
「交代制なので残業は絶対にないし、単純作業でお給料はそこそこ高いので最高です」
「給料も女性にしては高かったし、前職で人間関係で病んでしまった私にとって最適な職業でした」
など、実際に工場で働いている女性たちから共感の声が多く上がっていました。また、
「お給料って実際どのくらいですか?」
「どの転職サイトで就職先を見つけましたか?」
「工場勤務って具体的にどんな仕事なのですか?」
など、工場で働くことに対して興味を示すコメントも多くありました。
2つの動画で、10万人以上の人が工場で働くことに対して興味を持ち、様々な疑問を抱いているのです。そして、これらの動画はTikTokでバズったことから、おそらく私と同じ世代の若い視聴者が多いと思われます。
「工場勤務」と言っても食品を製造している工場なのか、機械を製造している工場なのか、業務は単純作業なのか、そうでないのかは様々なため、上の事例がすべてのものづくりの会社に当てはまるわけではありません。しかし、どの会社にも共通して「その会社にしかない良いところ」があります。みなさんは、その「良いところ」をしっかりと伝えられていますか?
工場で働きたい若者を獲得するには?就活生が重視するポイント
まずは昨年まで就活生だった私が感じた、最近の就職活動の傾向についてお伝えします。
近頃の就職活動は情報戦です。デジタルネイティブ世代とよばれる私たちは、全ての情報をインターネット上から得ているといっても過言ではありません。
採用において最も大切な点は、”いかに会社を明るく魅力的に伝えられるか”、”その情報がネット上で得られるか”です。
これまでTikTokを例に挙げてきましたが、実際にソーシャルメディアを立ち上げて魅力的なコンテンツを創り出すことは難しいと思います。
そこで、”自社の露出したメディア”の最低ラインとして、自社ホームページを持っておくことが非常に大切です。
以下に、「求人に応募する前に、その企業の採用ページを確認しますか」という問いに対するアンケートの結果があります。この結果から、就職活動中、人はまず「ホームページがあるか」を確認することがわかります。
また、ホームページを確認する理由が以下の通りです。
【調査概要】
調査名:採用ホームページに関する調査
調査対象:20代~30代の男女
調査数:300名
調査日:2022年11月4日~2022年11月15日
“『約6割が企業の採用ホームページの情報が物足りないと感じている|採用HPに関する求職者調査』”.
【ヒトクル】.2022-11-18.https://hitokuru.atimes.co.jp/list/297,(参照2024-12-06)
やはり、その会社を知るための何かしらの情報がなければ、人は不安を感じてしまうということです。
さらに私は、「ホームページの中身」も非常に大切だと考えています。例えば、ホームページ自体が新しい/古い、お知らせの更新頻度が高い/低い、見栄えが良い/悪い、採用情報が明瞭/不明瞭だと、人は前者を好む傾向があります。
実際に私が就職活動をしていた頃は、何よりもホームページをよく見ていました。ホームページの中に、会社の雰囲気がわかる動画や、他の会社にはない強みなどがあると、興味を持てたり、自分に合う会社かどうかの判断材料になるのでより応募がしやすかったです。
最初にも述べたように、現代の就活生はほぼ全ての情報をネット上で集めます。そして、メディアの一例として挙げたホームページは会社の顔であり、採用の入口でもあります。まず若者に興味を持ってもらうためには、いかに学生に明るく魅力的に会社の良いところを伝えられるかが大切なのです。
今回はホームページを例に挙げましたが、これからの若者採用においては、媒体は何であれ、現代の若者の動きに合った魅せ方を知り、発信することが何よりも大切です。